Via Nomentana 70, 00161 Rome.
1840 (première construction) : Giuseppe Jappelli.
1908 (rénovation) : Enrico Gennari.
1917 (rénovation) : Vincenzo Fasolo : Art nouveau italien (Stile Liberty).
1992-1997 (grande restauration).
ノメンターナ通り70番地、ローマ
1840年(最初の建造):ジュゼッペ・ヤペッリ
1908年(改装):エンリコ・ジェンナーリ
1917年(改装):ヴィンチェンツォ・ファゾーロ:イタリア式アール・ヌーヴォー(スティーレ・リバティ)
1992‐1997年(大規模な修繕)
ローマ市街の北東部、トルロニア公園内にあるかわいい建築。もともとは貴族のアレッサンドロ・トルロニア(1800‐1886)の田舎風別荘として建てられた邸宅です。
このお屋敷は内装・外装ともに非常に手が込んでいるのですが、このような意匠が付け加えられたのは、アレッサンドロの甥、ジョヴァンニ・トルロニアがこの家に住むようになってから。このジョヴァンニは秘教的象徴的モチーフに凝ったりする気難しい人物だったそう。それで、この家の装飾も若干偏執狂的なまでに凝ったものになったのでしょう。なんとなくユイスマンスの『さかしま』のデ・ゼッサントみたいな人物を思い浮かべたくなります。
動物の意匠が至るところで目につきます。あまりにも意匠が楽しいので、外観をじっくり見て回るだけでものすごく時間を要しました。
このお屋敷の呼称の元となった、フクロウもいます(小さな持ち送りの部分)。フクロウのモチーフはジョヴァンニ・トルロニアのお気に入り。
鉄細工に凝ったりするところがいかにもアール・ヌーヴォー。なお、アール・ヌーヴォー風の改装を手がけた建築家はヴィンチェンツォ・ファゾーロ。1910年代後半のことです。
建物の中に入ると、吹き抜けの広い空間に迎えられます。
階段を上って玄関を見下ろす。あごに手をあてて佇んでいるのは管理人のおじさん。雑然と置かれたカラフルな荷物は、このときたまたま集団で見学していた小学生(?)たちのもの。
ガラスおよびステンドグラスがふんだんに使用されて、建物内部はとてもあかるい。
階段部分の連続ステンドグラスはこの建物のハイライトのひとつだと思います。ほんとうに見事。
外から見るとこんなかんじ。
旧お風呂場のステンドグラス。こんなところで湯船に浸かったら気持ちいいだろうなあ。でもイタリア人だから湯船には浸からないのか。いや、きっとたまには浸かったことだろう。
装飾のひとつひとつが、ことごとく凝っています。間違いなく、イタリアン・アール・ヌーヴォー(スティーレ・リバティ)の傑作のひとつだと思います。個人的にはコロッセオよりもヴァチカンよりもトレヴィの泉よりも、訪れてよかったなあと思った場所でした。
Références
- « La Casina delle Civette », le site de Musei in Comune Roma.
- « Museo Casina delle Civette », Wikipedia (IT).
Photos prises en mai 2016.
2016年5月撮影
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