アムステルダム公共図書館 : Bibliothèque publique d'Amsterdam

3 nov. 2022

Bibliothèque publique d'Amsterdam アムステルダム公共図書館


Oosterdokskade 143, 1011DL Amsterdam.
2001-2007 : Jo Coenen & Co Architekten.

東埠頭河岸143番地、アムステルダム
2001-2007年:ヨー・クーネン建築設計事務所

Bibliothèque publique d'Amsterdam アムステルダム公共図書館

アムステルダム駅の東側に隣接する再開発地域に建てられた、公共図書館。設計は、オランダのマーストリヒトを拠点に、都市計画や公共建築などを数多く手がけるヨー・クーネン。

隣接する建物がセットバックしているため、「図書館」の文字が通りからでもよく見えます。本棚から本が1冊はみ出しているように見えなくもないです。

Bibliothèque publique d'Amsterdam アムステルダム公共図書館

設計条件は、28,500m2の敷地に間口40m、奥行き120m、高さ40mほどの建物を造ること、だったそうです。スケールが大きい。

建物入口。いかにも「公共図書館」的な無難な感じの入口だなと思って入ってみたら、中の造りがとてつもなくかっこよくてそのギャップにびっくりしました。

入口から上を見上げたところ。石の素材は石灰岩、鉄枠に囲われた木の素材はウェスタン・レッドシダー。石灰岩は内装にも使われています。

入口を過ぎると、照明機能も兼ねた円柱とエスカレーターがお出迎え。光の帯が空間を走っているようでかっこいい。建物内部は大部分が自然採光となっているのですが、この部分は外光があまり届かないのでこのような照明を設置したとのこと。

入口から建物の中へ進んでゆくと視界が開け、有機的な形の照明と本棚、開放的な吹き抜けで構成された空間が現れます。これでもうわたくしはすっかりこころ打たれてしまって、その後、図書館内を執拗にうろうろ探検してしまいました。

閲覧机が吹き抜け空間を囲うように配されているところもまた素敵です。

もっと奥に進むと吹き抜けがさらに開放的になって、その下に椅子としても使える階段が広がっています。なんと素晴らしい空間なのだろう。建物内部の空間を快適にすることを最重要事項として、外装はそれに導かれるように決まった、とヨー・クーネンが説明している通り、思わず長居したくなる空間になっています。(そして実際長居しました。)

大空間を見下ろしたところ。自然採光が存分に生かされているのが分かります。

すてき階段のあるカフェ。

上階にある閲覧机もやはり吹き抜けに面しています。

複雑な空間構成。図書館と迷宮の親和性みたいなことに思いを馳せてこころがときめきました。グリッド状になっている箇所の素材はアメリカン・メイプル。

階段の造りも凝ってます。

上層階(8階?)にもカフェがありました。ここでお昼ご飯にサンドイッチを食べビールを飲みました。おいしかったです。

建物の模型も設置されていました。これを見ると、各ヴォリュームの組み合わさり具合がよく分かります。

Bibliothèque publique d'Amsterdam アムステルダム公共図書館

遠景。科学博物館「ネモ」の屋上から撮影したものです。

Références

Photos prises en août 2018.
2018年8月撮影