111-1, Jyūrokken, Kumagaya-shi, Saitama-ken, Japon.
1997 : Yoshirō Ikehara Architecte et Associés.
埼玉県熊谷市拾六間111-1
1997年:池原義郎・建築設計事務所
埼玉県熊谷市にある、音楽ホールを中心とした文化施設。通称「さくらめいと」。設計は池原義郎で1997年に竣工しました。
池原義郎らしい、ダイナミックな全面ガラスのファサードになっていて圧巻です。訪れたときはちょうど、夕暮れ空の黄色みがかった青空をうつくしく映し出していました。
主要ホールは1000席規模とそこまで大きくはないのですが、建物自体はとても巨大なものに感じられました。写真は、南東方向から撮ったもの。西日が建物に当たっていてまぶしかったです。
大ガラスで囲われたガレリア部分には、橋を通って2階からも入れます。ちなみに今調べて初めて知ったことなのですが、画面右の巨大な両引き扉の前にある半円形の空間は屋外舞台として活用できるそうです。発想が大胆すぎて、訪問時はそれが舞台であるとは思いもしませんでした。そこで劇が上演される様子をぜひ見てみたいのですが、実際にこの舞台が運用されたことはあるのだろうか。
ガレリア2階に通じる橋の造作も凝っていてかっこいいです。
敷地内には、池に沿う形で会議室棟も設けられています。こういった周辺の景観構成も素敵。
会議室棟の反対側には不思議な形のコンクリート板が付けられていました。
建物裏側、北東方向からの眺め。ガレリアの側面はポリカーボネートの外装になっていて光が透過しています。
側面の様子。ここも本当はガラスにしたかったのではなかろうか。
建物裏手、東側からの眺め。
高さの微妙に異なる出窓が並んでいるのがたのしい。
建物の足元から見上げたところ。
柱と梁の配置、コンクリートと鉄骨とガラスの組み合わせ方がとてもかっこいい!
周辺には視界を遮るようなものはほぼないので、とても眺めがよいであろう透明のエレベーター。乗ってみたい。
2階からおじゃましました。
建物内に足を踏み入れて、その空間の大きさに圧倒されて感動しました。これはすごい。とはいえ、柵に注意喚起を促す掲示が大量に貼られていてなんだか脱力してしまいました。そんなにまでしなければ、人は危機管理できないものなのだろうか。きっと色々な事情があったのでしょうけれど。
ガレリア内部にはさらにガラスで区切られた空間が設けられていました。そこが、ホールや事務所、練習室への主要な入口になっているようです。
大ガラスや屋根を支える鉄骨がうつくしい。
外からも見える鉄骨。
大ホールの2階席入口。
シャープな印象の階段もすてきです。
1階の入口部分。
写真を撮りまくっていてすっかり日が暮れてしまったのですが、ガラスファサードのおかげでガレリア内はまだけっこう明るいままでした。
Références
- 「熊谷文化創造館『さくらめいと』」、『訪ねたい・使い続けたい建築~埼玉の戦後建築』サイト
- 「熊谷文化創造館さくらめいと」、時田工務店ホームページ
- 「熊谷文化創造館“さくらめいと”の開館」、『永田音響設計News』122号、1998年2月
Photos prises en janvier 2020.
2020年1月撮影