50, rue Henri Poincaré 54000 Nancy, France.
1910-1911 : Lucien Weissenburger + Alexandre Mienville : École de Nancy (Art nouveau).
* Peintre-verrier : Jacques Gruber + Ébéniste : Louis Majorelle.
アンリ・ポワンカレ街50番地、ナンシー、フランス
1910-1911年:リュシアン・ヴァイセンビュルジェ+アレクサンドル・ミアンヴィル:ナンシー派(アール・ヌーヴォー)
*ガラス、ステンドグラス:ジャック・グリュベル+家具調度:ルイ・マジョレル
ナンシー駅東口広場のすぐそばにある、レストランと集合住宅の建物。設計や設備・装飾はリュシアン・ヴァイセンビュルジェやジャック・グリュベル、ルイ・マジョレルなどが手がけており、ナンシー派の代表的制作者が勢ぞろいといった感があります。個人の才覚や美的感覚を突き詰めて作品を創り出したアール・ヌーヴォーの製作方式とは異なり、ナンシー派は概してチームプレーで総合芸術を目指したという特徴があります。
駅前にあって、かつナンシーを代表するレストランというだけあって堂々たる佇まい。なお、屋上部の骨組みのような特徴的な部位は純粋に装飾的なもので、何か機能的要素を持つものではないみたいです(たぶん)。
建物外観は割と、ウィーン分離派を思い起こさせるような垂直性を強調した荘厳なものとなっているのですが、内部はしなやかな曲線と優美な家具調度などによっていわゆる植物的なアール・ヌーヴォーの意匠となっています。ナンシー旅行中はここで晩食をとろうと思ったのですが訪れた日はちょうど貸し切りで入れず。悲しい。ちゃんと事前に予約をするなり席の確認をするなりしておけばよかった・・・。そのようなわけで、内部の写真は撮れず。建物内には、ナンシー派の薫陶を受けつつ製作者としてのキャリアを積んだジャン・プルヴェが手がけた階段の手すりもあるそうなのですが当然それも見られず。
由緒正しいすてきなレストラン、といった趣きなのですが、信じられないことに1970年代の駅前再開発の際には取り壊しの対象になっていたのだとか。その際、公的な財の競売吏にして美術史家、フランス学士院会員のモーリス・ランスの尽力によって開発事業が見直され解体を免れたのだとか。
この特徴的な大きな窓の、枠に使われている素材は銅だそうです。これはガラス職人ジャック・グリュベルの仕事。
Références
- « Histoire », le site de la Brasserie Excelsior.
- « Hôtel de voyageurs, débit de Boissons d'Industriel dit Hôtel d'Angleterre et Brasserie (Restaurant) de l'Excelsior », le site de la Ministère de la Culture, plateforme ouverte du patrimoine
- « Histoire », le site The Art Nouveau World.
Autre travail de Jacques Gruber : ジャック・グリュベルの他の作品
Photos prises en septembre 2023.
2023年9月撮影