ティエール郵便局 : Hôtel des Postes Thiers

9 avr. 2024

Hôtel des Postes Thiers ティエール郵便局


Avenue Thiers et rue Gounod, 06000, Nice, France.
1930-1931 : Guillaume Tronchet : Art déco.
  * Verrier : Jacques Gruber.

ティエール通り、グノ街、ニース、フランス
1930-1931年:ギョーム・トロンシェ:アール・デコ
  *ステンドグラス:ジャック・グリュベル

ニース市駅南側すぐにある郵便局。ニースでは珍しい、赤れんがで装われた建物になっています。そのため竣工時はこの外観が少なからず物議をかもしたそうです。設計は、パリで集合住宅や厚生省庁舎を設計したり、1900年のパリ万博や1925年の「アール・デコ」博でいくつかの展示館を手がけた、ギョーム・トロンシェ。

シンボリックな時計棟の高さはおよそ27m。

アール・デコ様式の書体で書いてある「郵便、電信、電話」の文字がかっこいい。その下のエッジの効いたステンドグラスは、ジャック・グリュベルの作品。トロンシェは、先に挙げた厚生省建設の仕事でもグリュベルと協働しています。

北西からの眺め。こちらから見ても堂々たるたたずまい。

れんがによって様々な幾何学的装飾があしらわれていて、変化に富んだ外壁になっています。建物を覆うれんがの数は、およそ30万にものぼるそうです。

段々になって奥まってゆく入口。この建物は意匠が凝っているだけでなく機能的にも工夫が凝らされていて、すぐ近くのニース駅と地下でつながっていて荷物や郵便物のすみやかな輸送が可能になっているとのこと。よくできてます。

ギョーム・トロンシェの署名と建設年。

Références

  • « Poste Thiers. Façade », le site de la Ville de Nice, Trésors de Nice.
  • « La poste Thiers, à Nice », le site Architecture-art-deco.fr.
  • 三田村哲哉、『アール・デコ 戦間期フランスの求めた近代建築』、中央公論美術出版、2010年、101頁、282-283頁。

Autre travail de Jacques Gruber : ジャック・グリュベルの他の作品

Photos prises en novembre 2018.
2018年11月撮影