Reguliersbreestraat 26-34, 1017 CN, Amsterdam.
1918-1921 : Hijman Louis de Jong : art déco.
レグリエルスブレー通り26-34番地、アムステルダム
1918-1921 : ハイマン・ルイス・デ・ヨンク:アール・デコ
アムステルダムの繁華街に建つ映画館。ご覧の通り、ファサードに過剰ともいえるくらいの装飾がほどこされています。
この映画館の名前はその創設者、アブラハム・イチェク・トゥシンスキから来ています。トゥシンスキはポーランドからの移民者で、まずロッテルダムで映画館を手がけて成功したのち、ここアムステルダムにも進出したのでした。
設計者のハイマン・ルイス・デ・ヨンクはどちらかというとアムステルダム派の作風を感じさせる建物を主に設計した建築家ですが、この映画館ではかなり過激なアール・デコ風の様式に傾いています。オーナーの意向なのかしら。
いずれにせよ、デ・ヨンクの代表作といってよいでしょう。
ここまで装飾が盛られているとイベリア半島やラテン・アメリカのバロック寺院もほうふつとさせて、どことなく荘厳さも感じられます。
外装は大部分、釉をほどこされたタイルで覆われています。
玄関周りも凝っています。扉がかっこいい。
ロビー空間も圧巻。ファサードの世界観が建物内の意匠にもみごとに貫かれています。ここであんまり大した内容でない映画を見たら、建物の印象に負けてしまいそう。
内装は、色彩といい木材の多用といい、どことなくアール・ヌーヴォーの雰囲気もただよわせているように感じられます。
チケット販売は昔ながらのカウンターでの対面式となっていました(2018年の時点)。不便かもしれないですがこの方式の方が間違いなく、建物の雰囲気に合っていると思います。
Références
- Guus Kemme et Gaston Beckers (eds.), Amsterdam Architecture : A Guide, Thoth, 2018 [seventh éd.], p. 139.
- « Pathé Tuschinski intégralement rénové », le site de Pathé.
- « Tuschinski Cinema », le site d'Architectureguide.NL.
Photos prises en août 2018.
2018年8月撮影