ローキンの建物 : Immeuble de Rokin

11 mars 2024


Rokin 111, 1012 KN te Amsterdam.
1920-1923 : Jacob London : Art déco.

ローキン111番地、アムステルダム
1920-1923年:ヤーコプ・ロンドン:アール・デコ様式

アムステルダムの繁華街、ローキンの地下鉄駅すぐそばに建つオフィスビル。設計はヤーコプ・ロンドンで1923年造。アール・デコ様式の興隆を決定づけた1925年、パリ開催の「現代装飾芸術、産業芸術国際博覧会」(いわゆる「アール・デコ博」)よりも前の建築ですが、その垂直性を強調した装飾や、簡素化され図案化された幾何学的意匠にすでにアール・デコの精神がうかがわれる気がします。

基本的に左右対称な立面なのですが、1階の主要玄関だけ中心からずれたところに設けられていてちょっと意表をついています。

玄関周り。錬鉄の複雑な鉄細工がみごと。

柱頭の細かい幾何学的な彫り物も凝っています。その上部、中央に鎮座している浅浮彫は樽とたばこの葉を表しています。これは、このビルの発注者が国際たばこ交易商会であったから。が、しかし同商会は、この建物の竣工前の1922年に破綻してしまったそうです。その後は服飾メーカーの会社や中上流階級の社交クラブなどがこの建物を使用してきました。

Références

Photos prises en août 2018.
2018年8月撮影