282, Nakano-chō, Shin-machi Nishi-iru, Naka-Chōja-machi-dōri, Kamigyō-ku, Kyoto.
2016-2019 : Eastern design office.
京都市上京区中長者町通新町西入仲之町282
2016-2019年:イースタン建築設計事務所
京都御所東部の静かな住宅街に建つ宿泊施設。設計は、ちょっとひねりが効いた独特な雰囲気の建築を手がけるイースタン建築設計事務所で、2019年造。
焼付塗装したアルミの黒い格子が、和風でシックな趣を醸し出しています。京都の街並みにほどよく溶け込みつつも個性的でもある、優れた意匠だと思いました。
格子には1面だけ茶色に着色してあり、見る角度によって色彩を帯びるようになっています。そうした仕掛けも粋。ちなみに設計者によれば茶色になっているのは「西側」とのことなのですが、これは、東側が正しいのでは・・・。
照明が点灯する夜の姿も非常にうつくしいです。
塀の一部をあえて崩したままにしているのがおもしろい。
シンプルで落ち着いた雰囲気の入り口。客室数21のこぢんまりとしたホテルなので入り口もつつましやかです。
フロント部分。カウンターで呼び鈴を鳴らすと、正面の金色の壁の一部が くるっ と回転する扉になっていて、そこから受付の人が登場するという仕組みになっています。その様子があまりに忍者だったので、思わず笑ってしまいました。ちなみにわたくしは2020年、ちょうど新型コロナが本格的に流行する直前に京都旅行をした際、こちらのホテルを利用しました。一般旅客の海外渡航が制限され始めていた頃だったので空いていて快適でした。
フロントの足元には、忍者屋敷で見るような罠も仕掛けられているという凝りよう。
廊下では、壁面投影により忍者が すたたたっ と駆ける映像流されていたり、壁には手裏剣が飾られていたり、とにかく忍者にまつわるあらゆる演出が随所に仕掛けられていてとても楽しかったです。これは外国人観光客も大喜びするだろうと思いました。それと、カフェスペースを表すサインもかわいい。
カフェスペースはこんな感じ。京都の伝統文化や日本の建築に関する書籍が並んでいました。
カフェスペースは和風庭園に面していて、すてき。
客室は、共用部分と同じく隠密らしく黒基調でまとめられていて、かっこよかったです。
部屋に入ってほっとひといき、と油断していると、背後にも忍者。ここまで遊び心ある世界観で統一されたホテルもなかなか珍しいと思います。非常に楽しい宿泊体験でした。泊まってよかったです。
Références
- 「HOTEL NINJA BLACK」、イースタン建築設計事務所のサイト
- 「Hotel Ninja Black / イースタン建築設計事務所」、Tecture Magのサイト
Photos prises en février 2020 et avril 2025.
2020年2月、2025年4月撮影