1, Hattori-ryokuchi, Toyonaka-shi, Osaka-fu.
1966 : Shizutaro Urabe.
1983 : rénovation : Shizutaro Urabe.
2024 : destruction.
大阪府豊中市服部緑地1
1966年:浦辺鎮太郎
1983年:改修:浦辺鎮太郎
2024年:解体
大阪府豊中市の広大な緑地公園、服部緑地内に、かつてあった建物。設計は浦辺鎮太郎が代表を務める浦辺建築事務所で、1966年造。
建物は東西南北どこから見てもおおむね同じ立面となっています。上の写真は南側から見た図。建物は老朽化が進んでおり、屋根には青いブルーシートがかけられておりました。そしてこの写真を撮った数カ月後の2024年末、建物は解体されました。
屋根の頂部にいる鳩。これは本物の鳩ではなく彫刻作品。周りには本物の鳩も普通にとまっていたのですが、それらと見分けがつかないくらいリアルで、思わず笑ってしまいました。どこか愛嬌がありユーモラスな外観の建物を造ることが多かったように思われる浦辺事務所ですが、そうした特徴はこのレストハウスにもよく現れているように見えました。小振りながらも浦辺建築の魅力が詰まったこの建物が解体されてしまったのは悲しいことです。
日本工芸館(大阪市、1960年、非現存)や倉敷国際ホテル(1963年)などに見られる浦辺建築の特徴のひとつである壁庇のような、急勾配の屋根が覆いかぶさっています。
寺院建築の廻縁のようになっている軒下まわり。
赤いれんがのなかに、ひょうたん型の窪みがある黒いブロックが挿入されているのですがこれは何だったのだろう。こういうちょっとした小物をさし挟んでくるあたりもこころにくいです。
主要玄関の周辺。
天井はまあまあ荒々しい感じのコンクリートなのですが、そんななかにも桜の花を思わせるモチーフが彫り込まれたりしていて、建物の至る所に遊び心ある手仕事が施されています。そうしたものもすべて、建物の解体とともに失われました。
建物1階南側の休憩室。引き戸を開け放つと公園の緑が見られます。
2階に至るすてきな螺旋階段。
螺旋階段の軸になる部分は天窓による採光がなされていて、素敵な設計だと思いました。
階段を上から眺めたところ。
2階部分。ところどころ円柱が支持する開放的な空間になっていました。
3面ガラス戸張りの非常に明るい空間です。ガラスが擦りガラスでなければもっと開放感あふれる場となっていたと想像されるのですが、コスト等の問題でこうなったのでしょうか。
バルコニーから公園を眺める。解体前にこの建物を訪れ、せめて写真に収めることができてよかったです。
Référence
- 「作品リスト」、浦辺鎮太郎建築展実行委員会(監修)、『建築家 浦辺鎮太郎の仕事 倉敷から世界へ、工芸からまちづくりへ』、学芸出版社、2019年、230頁、237頁。
Photos prises en février 2024.
2024年2月撮影


















