サン ジャック ド ラ ランドの教会 : Église Anastasis de Saint-Jacques-de-la-Lande

5 mai 2020

サン=ジャック=ド=ラ=ランドの教会


Rue du Haut-Bois, 35136, Saint-Jacques-de-la-Lande, France.
2009-2018 : Álvaro Leite Siza.

オ=ボワ通り、サン=ジャック=ド=ラ=ランド、フランス
2009-2018年:アルヴァロ・レイテ・シザ

アルヴァロ・シザによる教会

フランスのブルターニュ地方、レンヌ近郊の町サン=ジャック=ド=ラ=ランドにある教会(※本ブログでは便宜上、この教会は「レンヌ」カテゴリに含めています)。設計はアルヴァロ・シザで、2018年竣工。立地は都市開発区域となっておりこれからにぎやかな建築が多く建ってゆくことになると思うのですが、この教会の周りのふしぎに静謐な空気だけはきっと保たれるに違いない、と確信させるような凄みのあるオーラを感じました。まぎれもなく傑作。

教会は木立の向こうにひっそりとたたずんでおりました。

竣工してすぐのタイミングで訪れたので周囲の水辺はまだ荒々しかったです。いま(2020年5月)訪れたら周囲の景観もより自然な、素敵なものになっているのだろうなあ。

この教会は、ブルターニュ地方で21世紀になってから初めて建てられた教会らしいです。びっくり。と同時に、フランス初のアルヴァロ・シザの建築作品であるような気もするのですがどうなんだろう。違っていたら教えてください。

シザの多くの建築の特徴である白いコンクリートによる独創的造形が、この教会でも見られます。写真手前の直方体のヴォリュームは高さ12.5mで、現場打ちコンクリートとのこと。

鐘楼もコンクリート造。こちらも素晴らしい造形でした。どんな音がするのか聴いてみたいです。

一見、何の理由もなくただ気まぐれに形作られただけのフォルムにも見えるのですがよくよく観察していると、「これ以外の形状はありえなかったに違いない」と思わせる完成された必然性みたいなものを感じます。自然が偶然に作った造形美を目の当たりにするのと同じような感覚を味わいました。自然であるとはどういうことか、自由であるとはどういうことか、みたいなことを押し付けがましくなく諭してくるように感じられるアルヴァロ・シザ建築。

木フレームでアクセントが付けられた入口。

雨樋のそっけなさにさえ心うたれる。

裏手もやはり唯一無二の形状。

裏手の十字架。

内部をガラス越しに撮影。中に入って、内部空間もぜひ体験したみたかったです。とはいえ外側をうろちょろしているだけでも感動しっぱなしの、とにかく見事な建築でした。

Références

Photos prises en février 2018.
2018年2月撮影