ジャンヴィエ邸 : Hôtel Janvier

26 déc. 2020

Hôtel Janvier ジャンヴィエ邸


16, rue Dupont-des-Loges, 35000, Rennes, France.
1890 : Alexandre Guidet : néogothique.

デュポン=デ=ロージュ街16番地、レンヌ、フランス
1890年:アレクサンドル・ギデ:ネオゴシック

Hôtel Janvier ジャンヴィエ邸

ヴィレーヌ川の本流と支流に挟まれた中州の閑静な住宅街に建つ邸宅。施主のジャン・ジャンヴィエはセメントとモルタルを扱う事業の経営者であり技術者でもありました。設計にあたったアレクサンドル・ギデは、鉄筋コンクリートのテラコッタ版とでもいうべき新しい素材を用いて事業を展開していたエンジニアでした。自分たちが扱う建材の可能性を試すべく、両者は手を組んでこの邸宅の建築にあたったのでした。二人はその後成功を収め、ギデはレンヌで多くの邸宅を手掛けるようになり、ジャンヴィエは実業家からレンヌの市長にまで登りつめました。

建物の外壁には「成型セメント」"ciment moulé"が用いられているとのこと。コンクリートの前身にあたるものだろうか。いずれにせよ、新素材を用いてなされた建設は1890年当時の人々にとって画期的であったことでしょう。

装飾はネオゴシック基調の折衷様式。この邸宅を造るのがあと10年あとだったら、施主と設計者はきっとアール・ヌーヴォー様式を採用してもっと自由に表現の技術的冒険を試みたのではなかろうか、などと想像すると楽しい。

要所要所にセラミックがあしらわれているところもすてき。

建物は外装も内装も非常に良くメンテナンスされており、屋内ではモルタル造の凝った装飾の天井が見られるとのことです。

Références

Photos prises en février 2018.
2018年2月撮影