2-107-562, Ōaza-Usuki, Usuki-shi, Oita-ken, Japon.
1978 : Nikken Sekkei : modernisme (brutalisme).
大分県臼杵市大字臼杵2-107-562
1978年:日建設計:モダニズム(ブルータリズム)
大分県臼杵市の、港のそばにある公民館とホール。日建設計による作品で1978年造。コンクリートの、エッジの効いたブルータルな外観が猛烈にかっこよいです。しびれました。
写真奥の、せり上がる三角形の建物が公会堂になっております。最大400人を収容可能な規模とのこと。
異形の建築。迫力の佇まい。
せり上がってゆく公会堂の形状に並行して、公民館の軒部分もカットされています。この部分が非常にかっこいい!
このエッジは駐車場のある建物南側にも設けられていてこちら側からの眺めも、くどいようですが、猛烈にかっこいい。
こちら側は公民館裏手にあたるのですが、こちら側の方が建物の水平性が強調されて見えてむしろかっこいいです。(かっこいいという言葉を何回使っているのだろう。)
どこから撮っても絵になるまったく隙のないたたずまい。そのため、際限なく写真を撮りたくなってしまい困りました。ほんとうに傑作です。建築好きな人だったらこの建物を見るためだけでも、臼杵まで足を運ぶ価値があるといっても過言ではないです。
建物側面の階段が少し距離をおいて設けられている所も巧み。特に用もなく渡ってみたくなります。とはいえ今では、こういう歩かせる導線みたいなものはウケなさそう。
ガラスブロックの壁や石が埋まったコンクリートの地面の演出もすばらしい。
ぐるっと1周、写真を撮っていたら正面玄関に戻ってきた。
迫力の大階段は建物の内外で同じ格好に造られていて、これもまた圧巻の眺め。
正面玄関部分は大きなガラス張りになっていて、中の階段もよく見えるようになっています。畳みかけるような魅せる演出。
玄関部分の細部。杉板型枠を使ったコンクリート打ち放し。
建物内部の撮影許可を乞うと、「ぼろぼろの建物ですが、どうぞ。」とほがらかにご対応くださいました。ぼろぼろだなんてとんでもない!
ぼろぼろどころか、ガラスはぴかぴかであるし非常に状態よくメンテナンスされていると思いました。そしてこの吹き抜け空間の解放感、建物の内と外の連続性の妙といったら。
階段の脇を通って奥へ進むと公会堂に行き当たります。公会堂わきの廊下は細く高さのある空間で、誇張なしに、教会建築のような荘厳さすら感じさせました。
壁面が折板状になっているのは音響効果のためかもしれませんが、壁面の垂直性を強調するような意匠的効果も発揮しているように思いました。水平性が強調された外観を見た後に中に入ると思いのほか高さのある空間に出くわすので、その対比が劇的な効果を上げているように感じられました。すばらしい建築体験でした。
玄関部分の階段の細部。縦の鉄骨部材の隅が丸く削られているのはどういう意味があるのだろう。
階段からの斬新な眺め。
上から見下ろしてもやはり素晴らしき吹き抜け部分。
ガラスの大開口のおかげで光にあふれた2階部分。
トイレ周りの造形的意匠が非常にモダン。
2階から直接、屋根上のテラス部分に出られます。
傾斜したコンクリートの庇とガラス部分との組み合わせ具合など、ほんとうに絶妙だなあと感動しました。
2階テラスからの眺め。
テラスからは公会堂上部の形状を観察できます。
この縦長の窓を通して、あの荘厳な廊下に光が落ちてきていたという仕組み。
池(?)もあった。
建物1階の中を通り抜けると南側駐車場へ。
やはり、何度見てもかっこいい建築です。
庇部分と2階のバルコニーのせり出し部分との高さが揃えてあるところも、きっちり設計されています。非常に長い記事になってしまいましたが本当にどこから見ても素敵な傑作建築でした。少し遠かったけれど、訪れてよかった。
Références
- 「臼杵市中央公民館」、佐伯建設のサイト
- 「臼杵市中央公民館/臼杵市公会堂」、大分県臼杵市のサイト
Autre travail de Nikken Sekkei : 日建設計の他の建築
Photos prises en avril 2020.
2020年4月撮影