2, rue Dorian, 75012, Paris.
1905 : Jean Falp : Art nouveau.
ドリアン街2番地、パリ12区
1905年：ジャン・ファルプ：アール・ヌーヴォー
パリの12区近辺で独特のアール・ヌーヴォー建築を残したジャン・ファルプの作品。ナシオン広場近くの、12区にしてはやや高級目な住宅街にあります。
砦のようなごつごつした形の軒まわりが特徴的。建物表面の装飾には、ファルプ独特の女性の浅浮彫が見受けられます。
憂い顔（？）な猫の彫刻も。
角の部分のカーブ具合がうつくしい。
ピクピュス街に面した立面。軒下や開口まわりの、流れるような石彫りのラインが見事。
足元に目を転じると、換気口はかたつむりの形に開けられています。ランプや焼き物なども含め、アール・ヌーヴォーはかたつむりとなんとなく親和性が高いような気がします。
こちらはドリアン街からの眺め。6階建て＋屋根裏部屋で6階部分にはバルコニー、というオスマニアン様式のテイストを大部分採用しつつ、流麗な石彫りはアール・ヌーヴォー。
こちら側にもやはり彫られている、女性の顔。
建物玄関。どことなくひとを不安にさせるような彫刻は、ジャン・ファルプの世界観全開といった感。
建物竣工年代とファルプの名が彫られています。こう言ってはなんですが、病んでいるという表現がぴったりな造形作品です。ファルプは12区に住んで、自分の住まいの周りの建物をいくつか設計したという程度の情報しか残っていないのですが、どういう人生を歩んできたのか気になります。
Références
- Éric Lapierre (et al.), Guide d’architecture Paris 1900-2008, Éditions du Pavillon de l'Arsenal, 2008, no. 53.
- « Immeubles / 2-6 Rue Dorian Paris France », le site The Art Nouveau World.
- « 2, rue Dorian », le site PSS-archi.eu.
Autre travail de Jean Falp : ジャン・ファルプの他の建築
Photos prises en avril 2016 et en mars 2018.
2016年4月、2018年3月撮影