サルファティ通りのオフィス : Bureaux Sarphatistraat

17 févr. 2021

Bureaux Sarphatistraat サルファティ通りのオフィス


Sarphatistraat 410, 1018 GW Amsterdam.
1996-2000 : Steven Holl Architects.

サルファティ通り410番地、アムステルダム
1996-2000年:スティーヴン・ホール・アーキテクツ

住宅開発公社オフィスの増築棟として、スティーヴン・ホールが設計した建築。2000年造。外観の印象的な色彩は、酸化銅のパンチングメタルによるもの。緑豊かな水辺の環境に溶け込むようにひっそりたたずみながらも不思議な存在感を発揮する、とてもうつくしい建物でした。なお、敷地内は部外者立入り不可のため見学は対岸からしかできません。

Bureaux Sarphatistraat サルファティ通りのオフィス

建物の開口に併せてパンチングメタルにも空隙が設けられているいるのは、建物内部の明かりが、水面のゆらめきに偶然的に点々と反射する効果を狙ったため。この演出には、現代音楽家のモートン・フェルドマンの楽曲、『色彩領野における様々な紋様』”Patterns in a Chromatic Field”のコンセプトから着想を得たそうです。なかなか冒険的で詩的な試みだと思います。

多孔的な建物の造りはフラクタル図形のメンガーのスポンジも参考にしたとのこと。メンガーのスポンジってわたくしは初めて知ったのですが、立体のなかに無限に穴が空いていることになるので理論的には体積はゼロに等しくなるという解説を読んで、なんて楽しい立体なのだろう、と、ひとりで勝手にわくわくしました。それはともかく、外観の優美さと概念・意匠の冒険的こころみと周辺環境の静謐さとがみごとに融和した建築作品でした。

Références

Photos prises en août 2018.
2018年8月撮影