130, avenue Daumesnil, 75012, Paris.
1876 : Antoine-Julien Hénard : éclectisme (Gothique + Renaissance + Louis XIII, etc.).
ドメニル通り130番地、パリ12区
1876年:アントワーヌ=ジュリアン・エナール:折衷様式(ゴシック様式+ルネサンス様式+ルイ13世様式など))
パリの区庁舎のなかでも屈指の壮麗さを誇るのではないかと思われる、12区の区庁舎。過去の様々な様式の組み合わせから成る折衷様式の意匠で飾られております。
堂々たる正面玄関。入口まわりの円柱に施された輪っかのような装飾は、ルネサンス建築によく見られるもの。赤とベージュ色のれんがの組み合わせはルイ13世様式の建築によく見られるもの。といったように、これぞ折衷様式といった意匠。
壁龕に収められた彫像は、向かって左が家具職人、右が葡萄酒醸造家を表しています。家具は、12区北端のサンタントワーヌ街のあたりが家具職人街となっていたこと、葡萄酒は、区内のベルシー地区に20世紀後半まで大規模なワイン倉庫と卸市場があったことにちなんでいます。アルセナル運河(木材引き上げ所)とセーヌ川(ワインの輸送路)という水運のかなめ2つを要していた12区ならではの基幹産業でした。なお、家具職人の彫像の作者はアンリ・オノレ・プレで、醸造家の作者はアレクサンドル=アンドレ・ルキアン。
十字型の窓枠はゴシック的で屋根の丸窓はバロック的。
建物は台形の配置となっています。側面や裏側の意匠もぬかりないです。
建物裏側のハイライトは何といっても、繊細なステンドガラスや楽しいれんが細工などが施された渡り廊下。
玄関部上部のアーチには竣工年が刻まれており、芸がこまかい。
個人的なことなのですが、パリにいた頃はこのあたりに住んでいたので、買い物に行くときやランニングのときなど毎日のようにこの区庁舎のそばを通っていました。この建物を見ると色々な思い出が浮かんできてしみじみします。
Références
- Michel Poisson, Michel Poisson, Façades parisiennes, Parigramme, 2006, p. 85.
- « La mairie du 12e arrondissement », le site Paris Promeneurs.
Photos prises en mars 2016 et en février 2019.
2016年3月、2019年2月撮影