Yoshidahonmachi, Sakyo-ku, Kyoto.
1925 : Goichi Takeda.
2003 : (rénovation et agrandissement) Kiyoshi Kawasaki
京都府京都市左京区吉田本町
1925年:武田五一
2003年:(改修、増築)川崎清+環境建築研究所
京都大学の大学本部として1925年に造られた建物。教室、講堂、総長室や貴賓室などの役割を担っていたそうです。現在は「100周年時計台記念館」として主にホールや展示室、レストランなどに使用されています。上の写真右側、ガラスをまとった部分は2003年の増築部。
設計は、京都帝国大学工学部建築学科の教授であった武田五一。武田五一は1900年代前半、西日本を中心に公共建築から企業ビル、寺社建築、橋梁など数多くの設計を手掛け、それらの様式も和風から分離派様式、モダニズムまで多種多様に使い分けた、万能の大御所といった観があります。
建物前にはクスノキ。名門大学の玄関を飾るにふさわしい見事な景観です。こうした配置も、竣工当初のオリジナルなままであるようです。
建物は玄関部分と両翼で構成された、左右対称の形状になっています。外観は垂直性が強調されているという印象。
タイル模様、付け柱の柱頭、時計台など、どの意匠も凝っていて見飽きないです。
車寄せのある堂々たる玄関。
玄関周りの意匠も、凝りに凝っています。石材がほんのバラ色に見える部分があるのですが、どういう素材なのだろう。
玄関を入ったところ。
幾何学的で独創的な意匠は建物内部でも徹底されています。改修後でも、当初の意匠は最大限尊重されて残っているように思われます。
1階サロンは学外の人でも出入り可能です。この日は寒空の下、吉田キャンパスの建築を撮りまくっていて身体が凍えてしまっていたので助かりました。
Références
- 「施設探訪/百周年時計台記念館」、『京都大学広報誌 紅萠』2022年春号
- 林章二、宮谷慶一 、平井 直樹「近現代建築の保存・改修事例」、『清水建設研究報告』第 94 号平成 29 年 〔2017年〕1 月、39頁
Photos prises en février 2020.
2020年2月撮影