18-1, Daisennakamachi, Sakai-ku, Sakai-shi, Osaka.
1971 : Kaichiro Kurihara (Laboratoire de Kurihara à l’Univ. municipale d’Osaka) + Miyahiko Ikeda Architects.
大阪府堺市堺区大仙中町18-1
1971年:栗原嘉一郎(大阪市立大学栗原研究室)+池田宮彦設計事務所
大阪府堺市にある図書館。百舌鳥古墳群に囲まれた大仙公園の敷地内に建っています。ブルータルないでたちが猛烈にかっこいい。この独特の建物形状は、古墳から出土する家型埴輪を模したものなのだとか。
この図書館の設計者は大阪市立大学栗原研究室と、池田宮彦設計事務所。この「栗原」さんというのは、大阪市立大学と筑波大学で教鞭をとり図書館建築に関する書物も複数書いた、栗原嘉一郎で間違いないと思います。ただ、どういった流れで池田宮彦と栗原嘉一郎が協働することになったのかは不明。
敷地東側からの眺め。中央の太い柱と両端の細い柱とで、梁のように渡された上層階を支持する力強い形状が見てとれます。
ガラスで覆われた1階部分と、コンクリートパネルをまとった上階とのコントラストが見事。
建物は高低差のある地形に建っています。
排水の誘導の仕方がワイルド。
敷地西側は東側より低い地形になっているのでより一層の迫力。
駐車場に面した裏手側も、低層部がガラスで上層階がコンクリートで装われているという構成は同じです。
フライング・バットレス(?)のように見える部材もかっこいい。
写真を撮りまくっていたら建物を1周して入口に戻ってきてしまった。この階段は現在は使用不可な様子。上ってみたかった。
貼り紙がなければ建物の魅力がもっと引き立つのになあ、と思う光景。
柱廊玄関を想起させるような入口まわり。
中に入ると、天井の高い明るい大空間に迎えられます。天井から下がった、ぶどうの房のような照明も独創的で良い感じ。館内では他の利用者がいないところで撮影したので写真の数は少なめです。
2階の閲覧室に向かう階段の途中から、玄関ホールを撮影。
ホールだけでなくこの階段も、良きモダニズムといった雰囲気を醸し出していて味がありました。なお、下記に挙げた最初のリンクにて、この図書館の建設工事の写真が色々と見られます。このような記録を残して、それを公開してくれているのはとてもありがたいです。
Références
- 「中央図書館が建つまで」、堺市立図書館のサイト
- 「中央図書館は今年で50年」、『ゆづりは 堺市立図書館だより』第16巻第2号、2021年
- 「堺市立図書館」、『新建築』1971年12月号
Photos prises en mars 2022.
2022年3月撮影