Kitauoya Higashimachi, Nara-shi, Nara-ken, Japon.
1908-1909 : Département des constructions du ministère de l'Éducation (Jihei YAMAMOTO).
1990 : conversion en bâtiment mémorial.
1994 : rénovation.
2014-2015 : renforcement parasismique.
* L'accès public est interdit, sauf des journées spéciales d'ouverture (vers printemps et automne).
奈良県奈良市北魚屋東町
1908-1909年:文部省建築課(山本治兵衛)
1990年:記念館に用途変更
1994年:改修
2014-2015年:耐震補強工事
1908年に設置された奈良女子高等師範学校の、本館として造られた建物。その後同学校は奈良女子大学となり、本館は記念館として展示室や講堂の用途で保存活用されるようになりました。
裏側からの眺め。車寄せのある玄関部分と屋根中央の三角破風を除けば、建物は表面と裏面がほぼ同じ外観になっています。明治期に造られた欧風木造建築らしい、瀟洒で趣のある佇まい。建物はおおむね春季と秋季に一般公開されています。わたくしは2023年の春季に見学したのですが、ちょうど天気もよく、青空と新緑に建物がうつくしく映えていました。
建物裏手は池に面していて、すばらしい周辺環境でした。さらに大学構内には鹿ものんびり歩いていたりして、さすが奈良!と感嘆しました。
ハーフティンバーの意匠に加え、木の曲線材で独特の装飾もあしらわれていて凝った外観になっています。
1階部分の外装も、木材を縦張りにしたり横張りにしたり、土台部分に赤れんがが用いられていたりと、やはり手が込んでいます。
側面からの眺め。飛び出している部分は後からの増築で、旧事務局長室だそうです。均整の取れた左右対称が崩されてしまっていて少し残念。
車寄せ部分。3本組になった柱や、軒蛇腹がリズミカルで良い感じ。
幾何学的模様が多用された玄関部分。
建物の中へ。梁が直交する箇所に持ち送り風の装飾が付けられていて芸が細かいです。
廊下。
上下窓と、素朴な装飾が施された持ち送り。
階段は建物の両端部にあります。外光が差し込んで明るい階段です。やはり、装飾が秀逸。
2階の大部分は講堂で占められています。
広々として明るい講堂。中央部分の天井が一部高くなっていて、そこに梁が架けられアーチ型の開口が付けられたりして、やはり凝っています。
シャンデリアが吊り下げられている箇所の装飾は、通風口としての機能もあるのだそう。
壇上の、古典主義的意匠が施された設備は「奉安所」とのこと。そこにあった解説板によると、新年、および天皇にまつわる祝祭日に、御真影を奉る場所であったそうです。戦前では学校の行事として、上記の日には学校長が奉安所の御真影の前で教育勅語を読み上げたとのこと。そういった日本的精神の精髄にかかわるような場であるのに、西欧古典主義に完全に倣った意匠が採用されていることにだれも文句を言わなかったのだろうか、などと思ってしまいました。和魂洋才の一形態としてOKだったのかしら。
奈良女子大旧本館公開日では正門や、そのわきの守衛室もゆっくり見学できます。こちらは守衛室。旧本館としっかり調和するような佇まいになっています。
ちょっとメルヘンチックでかわいらしい正門。とても満足度の高い見学会でした。建築遺産をしっかりと保存して、こうして定期的に公開してくれている奈良女子大学に感謝です。
Références
- 「奈良女子大学記念館について」、奈良女子大学のサイト
- 「奈良女子大学(旧奈良女子高等師範学校) 旧本館」、『文化遺産オンライン』
Photos prises en avril 2022.
2022年4月撮影