ドリコの家 : Maison Dricot

8 févr. 2024

Maison Dricot ドリコの家


Rue Malibran 47, Bruxelles (Ixelles).
1900 : Édouard Pelseneer : Art nouveau.
  * Sgraffite : Paul Cauchie.
Les années 1980 : rénovation.
2017 : restauration à l’état d’origine.

マリブラン街47番地、ブリュッセル(イクセル地区)
1900年:エドゥアール・ペルセネール:アール・ヌーヴォー
  *彩色壁画の製作:ポール・コーシー
1980年代:改築
2017年:竣工当時の意匠に修復

Maison Dricot ドリコの家

エドゥアール・ペルセネールが、石工であり施工業者でもあったピエール・ドリコのために設計した住宅。ブリュッセルの建築記事を書くときにいつもお世話になっている『ブリュッセル首都圏地域、建築遺産データベース』(下記参照サイトで最初に挙げたリンク)では、設計者は「エドモン・ペルセネール」となっているのですが、他の複数のサイトや本を調べると名前はエドゥアールが正しそうなので本ブログもエドゥアールとしています。

これは建築作品ではなく絵画作品なのではなかろうか、と思われるくらい見事な彩色壁画(スグラフィット)が外観を飾っています。彩色壁画の作者は、その道の第一人者ポール・コーシー。施工業者の自邸だけあって、描かれている内容も職人たちの建設作業風景となっています。

この住宅は1980年代に改築されて、出窓は取り払われ、出窓があったところには無粋な黄色い窓枠が付けられ、残された小さいほうの出窓は白く塗られ、主要玄関の大扉も窓にされるなど、改悪といってよい状態になっていましたが、2017年にブリュッセルの都市・文化遺産事業団体の主導で、精細な調査にもとづき竣工当時の姿を忠実に復元する修復がなされました。そのおかげで、いまこうして見られるような調和のとれたファサードの色彩、鮮やかな壁画、かわいらしい出窓などが復活したのでした。

彩色壁画にばかり目がゆきそうになりますが、出窓の意匠や鉄柵、鉄製のまぐさなど他にも見所がたくさんある建築です。

Références

Autre travail d'Édouard Pelseneer : エドゥアール・ペルセネールの他の建築

Travaux de Paul Cauchie en tant qu'architecte : 設計者としてのポール・コーシーの仕事

Photos prises en juillet 2017.
2017年7月撮影