箕面観光ホテル : Hôtel touristique de Minoo

24 févr. 2024

Hôtel touristique de Minoo 箕面観光ホテル


1-1, Onsenchō, Minoh-shi, Osaka, Japon.
1966-1968 : Junzo Sakakura architects and engineers (Fumitaka Nishizawa) : modernisme.
1993 : construction de l’ascenseur pour l’entrée.

大阪府箕面市温泉町1-1
1966-1968年:坂倉準三建築研究所(西澤文隆):モダニズム
1993年:展望エレベーター設置

大阪府箕面市の山間に建つ、温泉付き旅館。設計は坂倉準三建築研究所(の所長、西澤文隆)で1968年完成。坂倉準三はその翌年の1969年に亡くなっているので、彼の存命中の事務所のほぼ最後の作品といえるでしょう。上の写真は、阪急箕面駅前の広場から撮影したもの。

こちらの写真はもっと遠くの東側(箕面2丁目)から撮ったもの。雁行する複雑な配置の建物が山のふところに抱かれるように聳えていて壮観です。

こちらの写真は南側、阪急箕面線の線路沿いの道から撮ったもの。高所にある巨大建築なので色々なところから撮影したくなります。

箕面の滝道の参道を上ってゆくと、建物が目の前に迫ってきます。接近時の佇まいの変化がこれほどかっこいい建築はあまりないと思います。

滝道参道をもう少しゆくと、ホテルと温泉施設の入口に通じるダイナミックなエレベーターの乗り場に達します。1993年までは駅からホテルまで専用のケーブルカーが通っていたそうで、それが廃止となってから、代替の交通手段としてこのエレベーターが設置されたとのこと。

宇宙にまで到達せんばかりのいきおい。

エレベーター乗り場。いちおう、エレベーターを使わずとも一般道でホテルまで行けなくもないのですが、実際自分の脚で行ってみた印象としては、かなりの急な山道なのでおすすめはしないです。わたくしはランニングのついでに上ってみたので、よいトレーニングになりましたが。

山道を上ってホテル敷地に達し、そこからさらに上ったところから撮った写真。建物裏手は、表側とはうってかわって平滑な立面になっています。

建物西側からの眺め。上階にゆくにしたがって床面積が大きくなってゆくダイナミックな造りやコンクリートの造形性に、モダニズムの精神がうかがわれる気がします。とにかくかっこいい。

1階部分をピロティにして上階を持ち上げて見せているところもこころにくい。

コンクリートで柱と梁と庇の交わりを明快に見せているところは、端正で粋な日本的モダニズムといった印象。とても好き。

駐車場側からの建物正面は大分ごちゃごちゃと飾り立てられてしまっているのですが、奥の方では柱と梁と庇のうつくしい積層が見受けられます。

こちらは、さきほどのエレベーターで上ったところの入口。山と緑と北摂の町を見下ろしながら上る(あるいは下る)エレベーターからの景色は、まさに絶景でした。無意味に何往復もしたくなってしまいます。

エレベーター降り場のガラス越しに撮った一枚。ぼんやりと映りこんでいる黒い線はガラスの格子です。

エレベーターから建物までの、高所をつなぐ渡り廊下。欲を言えば、ここからもう少し外の景色が見られるとうれしい。

テラスから眺める建物側面。個人的に、このダイナミックさは京都の清水寺に匹敵するといっても過言ではないと思っています。

建物内部。階段も非常にかっこいい。線的要素の錯綜が、どことなく建物外観と相通じるものがあるように感じられました。

うつくしい。

こちらは別の階段。ボウリング場に通じています。

ぐりんぐりんになった手すり下の意匠がたのしい。背後に見える、縦に並んだ裸電球の列もおもしろいです。

Références

Photos prises en mars 2023.
2023年3月撮影