平等院宝物館鳳翔館 : Musée Hōshō-kan de Byōdō-in

31 déc. 2024

Musée Hōshō-kan de Byōdō-in 平等院鳳翔館


116, Ujirenge, Uji-shi, Kyoto, Japon.
2001 : Akira Kuryu Architect & Associates.
  Architecte paysagiste : Placemedia.

京都府宇治市宇治蓮華116
2001 : 栗生総合計画事務所(栗生明)
  *ランドスケープ・アーキテクト:プレイスメディア

Musée Hōshō-kan de Byōdō-in 平等院鳳翔館

京都府宇治市の仏教寺院、平等院の収蔵庫兼博物館。優美なたたずまいで名高い鳳凰堂をはじめとする周辺の景観を阻害しないよう、施設の大部分は築山に埋もれる形で奥ゆかしく建てられています。

こちらが鳳翔館の主要入口。わたくしは敷地東側の高台から鳳翔館に入るというおそらくイレギュラーな方向で巡ってしまったのですが、本ブログではせっかくなので、設計者やランドスケープ・アーキテクトが想定していたであろう順路で以下、紹介してゆこうと思います。

地中に入ることになるので、ちょっとした洞窟探検のはじまりのようなおもむき。鳳翔館のサインと苔の生えた荒々しいコンクリートが風格と迫力をただよわせていて、名刹の雰囲気にとても合っていました。

細い通路を通って宝物館へ。館内は撮影禁止なので写真はありません。地中の薄暗がりの中で、文化財がスポットライトから浮かび上がるように展示されていてすてきでした。

地下の洞窟のような展示室を巡り終え地上階に出ると一転して、メタリックでシャープな空間が待ち受けています。

とはいえ木の縁台や、柱や梁、壁のない空間など和風建築をほうふつとさせる要素がふんだんに使用されていて、日本の由緒正しい寺院空間にいる、という印象が損なわれることはありませんでした。そのあたり、ほんとうに見事なすばらしい建築と景観デザインだと思いました。

鳳翔館は陸屋根の連なりが端正で印象に残ったのですが特に、この縁台にかかる屋根のうつくしさに目を惹かれました。

建物を東側から見る。屋根の水平ラインがやはりうつくしい。建物の高さや存在感を抑えることをまず目指した結果このような平らな屋根になったのだと思われるのですが、それがそのまま建築的美の向上にもうまく寄与しているように感じられました。

要所要所で見かける打ち放しコンクリートや鉄骨リブの使い方もこころにくい。建物を巡っていてとにかく感心することしきりでした。

この建物にはカフェが入っているのですが、これは事後的に増築されたもの。

竣工時の写真を見るとここは全面砂利敷きになっていたので、こちらの通路の舗装も、事後的になされたもののようです。1本の道を途中でカーブさせるのではなく、交わるふたつの直線道にした配置がまた絶妙。

旧南門の山道から、館をあとにします。平等院において、鳳凰堂と並ぶくらい、といってもよいくらいのすばらしい建築体験でした。

Références

Photos prises en février 2020.
2020年2月撮影