マセナの消防士宿舎 : Caserne des Pompiers Masséna

29 déc. 2024

Caserne des Pompiers Masséna マセナの消防士宿舎


37, boulevard Masséna, 3, rue Darmesteter et 16, avenue Boutroux, 75013, Paris.
1971 : Jean Willerval + Prvoslav Popovic : modernisme (brutalisme).

マセナ大通り37番地、ダルメストテール街3番地、ブトルー通り16番地、パリ13区
1971年:ジャン・ウィレルヴァル+プルヴォスラフ・ポポヴィッチ:モダニスム(ブルータリズム)

Caserne des Pompiers Masséna マセナの消防士宿舎

パリ南部、13区のはずれに建つ大規模な消防士施設。とにかく迫力満点でどこから見ても猛烈にかっこよい建築です。個人的には、パリのブルータリズム建築の最高峰だと思っています。

建物の構成としては、550人を収容できる共同寝室、150の住戸、800台の消防車両の駐車・修理整備空間、プール、ジム、食堂、子供たちが遊べるテラス、ヘリポート、等々、とにかく消防士のための一大拠点となっています。竣工当時はヨーロッパでもっとも大きい消防士宿舎であったそうです。

大きな板状の住居施設には垂直の棒が備え付けられていて、緊急時にはその棒を伝って1階の車庫におよそ20秒ほど(!)で移動できるようになっているそうです。

こちらが車両出動口。ダイナミックでマッシヴな形状がかっこいい。

側面から見ても、建物はその異様な威容を誇っています。構造はプレストレスト・コンクリートで成り立っていて、外装には1.5トン分のプレファブのコンクリートパネルが用いられています。

ただただ大迫力であるだけでなく、要所要所に装飾的要素を交えた、細部までぬかりない建築になっています。ちなみに、写真を見てお分かりのとおりこの宿舎はかなりの傾斜地に建っています。よく造ったなあと感心します。

なんと素敵な階段だろう。

この造形的な換気塔(?)も非常に凝っています。コンクリートの可塑性の探究といったおもむき。

入口の庇の持ち上がり方がなんともモダニズム。

創造的造形性はコンクリート部分だけでなくガラスを使った部分にも見受けられます。

「パリ消防士」のロゴも誇らしげでかっこいい。

敷地北側から見た図。この道路にはパリを外周するトラムも通っていて交通至便であり、かつ、ここの真向かいにはル・コルビュジェのプラネクス邸も建っているので建築好きの方はぜひ訪れるとよいと思います。

Références

Photos prises en mars 2016 et février 2018.
2016年3月、2018年2月撮影