アップリカ旧本社ビル : Ancien siège social d'Aprica

12 déc. 2025

Siège social d'Aprica アップリカ本社ビル


1-13-13, Shimanouchi, Chūō-ku, Osaka-shi, Osaka-fu, Japon.
1988-1989 : Tange Associates (Noritaka Tange) + Iwao Nakagawa Associates.

大阪府大阪市中央区島之内1-13-13
1988-1989年:TANGE建築都市設計(丹下憲孝)+中川巌・建築綜合研究所

大阪市中央区、心斎橋の東の繁華街に建つオフィスビル。ベビーカーやチャイルドシートを取り扱う企業のビルなのですが、現在その本社は東京にあるのでこの建物はいまは事業所のひとつという位置付けなのでしょうか。

設計は日本の戦後建築を代表する建築家、丹下健三の事務所で、実質的な設計業務は息子さんの丹下憲孝と、丹下事務所出身の中川巌が担いました。父親譲りの、非常にダイナミックな建物になっております。

斜線規制や、オフィスビルとしての床面積利用効率化などのために、こういった三角形がいくつも突出するような独特な外観になったようです。と、いう理屈は分かるのですがそれをこうやって大胆な形状で実現してしまうところがすごい。

建物は地上8階地下1階。構造はトラスではなく壁式とラーメンで成り立っています。構造設計は梅沢建築構造研究所が、施工は大阪市に本社を置く野村建設工業が担当しました。

敷地の東側は現在(2025年)駐車場になっているので、建物側面もじっくり観察できます。

側面はアルミパネルで装われています。建物の裏側までちゃんと三角形が突出した造りになっていてえらい(?)です。こういった建物は、裏側はけっこうのっぺりして簡素であることが多いような気がするので。

通りに突き出した企業ロゴの看板がかっこいい。

東側の足元は壁になっておらず中がくり抜かれたフレーム状になっています。なお、建物内部は家相学や易学の考え方を反映した色彩、配置になっているようです。

この星型のワンポイントが非常にかわいらしいのですが、これもやはり上記の東洋の思想に基づく何かの意味がこめられているのかしら。

側面の通路前の扉も、なんだか勢いがあって良いです。

Références

Photos prises en novembre 2025.
2025年11月撮影