15, Avenue Junot, 75018, Paris.
1926 : Adolf Loos : Modernisme.
ジュノ通り15番地、パリ18区
1926年:アドルフ・ロース:モダニズム
モダニズム建築運動の推進者のひとり、アドルフ・ロースによる住宅作品。ロースと個人的面識のあったダダイストの詩人・作家トリスタン・ツァラと、ツァラの妻で画家のグレタ・クヌートソンのために造られた家です。建築における機能主義を推奨したロースが、言語におけるアンチ・機能主義者ツァラの住まいを造ったという事実がちょっとおもしろい。
このツァラ邸はフランスで唯一のロース作品として貴重であるだけでなく、ロースが考えた建築原則、ラウムプランが実践された建築としても貴重です。ラウムプランとは部屋の機能に応じて天井の高さを変えることで、階による区分けによらず、建物内の空間を3次元で自由に構成するという発想なようです(少なくともわたくしはそのように理解しております)。そのため家の内部はかなり複雑な造りだったそうですが、改築により竣工時の空間配置はだいぶ改変された模様です。
複雑であった(らしい)建物内部とは対照的に外観はきれいな左右対称。玄関部分もまたしかり。1階部分の半分はガレージになっていたそうです。
壁面には紹介文が掲げられております。「1926年、オーストリアの建築家アドルフ・ロースによって、作家トリスタン・ツァラのために建てられた住居。」
Références
- Éric Lapierre (et al.), Guide d’architecture Paris 1900-2008, Éditions du Pavillon de l'Arsenal, 2008, no. 257.
- Michel Poisson, Michel Poisson, Façades parisiennes, Parigramme, 2006, p. 174.
- « La maison de Tristan Tzara », le site Paris Promeneur.
- « Maison de Tristan Tzara », le site de la Ministère de la Culture, Plateforme Ouverte du Patrimoine.
Photos prises en avril 2016.
2016年4月撮影