Weteringschans 26-28, 1017 SG, Amsterdam.
1979 : Frans Jan van Gool.
ウェテリング斜路26-28番地、アムステルダム
1979年:フランス・ヤン・ヴァン・ホール
アムステルダム国立美術館の対岸に建つ、2棟のオフィスビル。地面すれすれのところまで規則正しくびっしりと並んだ窓が特徴的です。窓の数は2棟で合計312もあるのだとか。
運河にせり出した片持ち梁の部分があるのも特徴的。もともとこの敷地には19世紀後半に建てられた2つの邸宅があって、それが解体された跡地に現在のこの建物が造られました。新しい建物を建てるに当たっては、もとあった邸宅と同じ占有面積となる建物を造ること、という設計条件が課せられました。そのため、設計条件を守りつつオフィスビルとして床面積をより広く確保する目的で、片持ち梁の部分が設けられたとのことです。
どちらの建物にも片持ち梁の部分が見られます。国立美術館があったり瀟洒な邸宅が建ち並んでいたりする地区だけあって、このモダンな建物は竣工当時、周囲の景観に調和しないものとしてかなり批判の的となったそうなのですが、いまは概ね好意的な目で見られているみたいです。
この建物は、その結晶体のような形状から「塩こしょうビル」とも呼ばれているのだとか。2018年には同じアムステルダムにMVRDVが”Salt”というオフィスビルを造っているのですが、この建物の遠い親戚みたいでおもしろい。妄想をさらにふくらませると、「お砂糖教会」と呼ばれた、ローマのバロック様式の教会、サンタ・マリア・マッダレーナ教会の反例みたいにも思われてたのしいです。
運河に面していない側も、見る角度によって色々な姿を見せる外観になっています。
Références
- Guus Kemme et Gaston Beckers (eds.), Amsterdam Architecture : A Guide, Thoth, 2018 [seventh éd.], p. 174.
- « Peper en Zout, Weteringschans 26-28 », le site 020apps - Apps over Amsterdam.
- « Kantoorgebouwen Peper en Zout », le site Architectuur.org.
Photos prises en août 2018.
2018年8月撮影