ハールレンメル堤の建物 : Immeuble de Haarlemmerdijk

1 mars 2024


Haarlemmerdijk 39, Amsterdam.
1896 : François Marie Joseph Caron : art nouveau.

ハールレンメル堤39番地、アムステルダム
1896年:フランソワ・マリ・ジョゼフ・カロン:アール・ヌーヴォー

アムステルダムの駅の北西あたりにある、とてもにぎやかな装飾の建物。設計はF・M・J・カロン。赤い横帯の部分には「魚と果物の商店」と書かれていて、その下のタイル壁画には、タコとあざらしが描かれています。脚がうねり狂ったタコの絵が印象的。そしてタコとあざらしという謎の組み合わせにも意表をつかれます。

しかもその下には海神のような彫刻をあしらった持ち送りがあるし、そもそもこの持ち送りは何も「持」っていないし、さらにその下には鰻までいるし、まあとにかくひとことで申し上げて、情報量の多い建築です。

鰻は反対側にもいます。でもこれはもしかしたら海蛇なのではなかろうか。

大きな開口の上部のアーチにはこの商店の経営者、ネールティエ・ルーラーデさんの名字”Roeraade”が記されています。このネールティエさんはお菓子屋のアントニー・ダケ氏と結婚し、そのお菓子屋の建物も同じくF・M・J・カロンが設計しています。お菓子屋の定礎には、1900年9月の日付けと共に「アントニー・ダケ、3歳」と記されているのですが、これはおそらくアントニー・ダケ氏の同姓同名の息子さんのことを指しているのだと思われます。

これだけ装飾過多なファサードを造った建築家にしては、署名は随分あっさりしています。

Références

Autre travail de François Marie Joseph Caron : フランソワ・マリ・ジョゼフ・カロンの他の建築

Photos prises en août 2018.
2018年8月撮影