ステイヘルアイラント2.0 : Steigereiland 2.0

5 déc. 2025


Edmond Halleylaan, Amsterdam.
2009 : FARO Architecten.

エドモンド・ハレー通り、アムステルダム
2009年:ファロ建築事務所

アムステルダム東部、新興住宅地アイブルフのステイヘルアイラントにある住宅。設計はファロ建築事務所で2009年に完成。家の名に「2.0」と冠せられているのは、同事務所がこれとほぼ同様の外観の住宅を2008年に同じステイヘルアイラントに建てていて、「2.0」の方はその進化版という位置付けのため。どう進化したのかというと、この住宅は屋内環境を快適に保つのためのエネルギーを最小限に抑えるよう非常にたくさんの工夫がなされているとのこと。具体的には、気密性の高い3層ガラスの使用、屋上に設けた風力・太陽光発電機器の設置、蓄熱機能のある細粒パラフィンを寝室の壁塗装に用いたこと、雨水再利用システムの採用などが挙げられています。かなり徹底しており、すごいなあと思います。ちなみに屋上の滑車のようなものは、大きな家財を上層階に外、あるいは屋上から搬入するための設備だと思われます。グーグルの街路ビューでこの家の2024年の様子を見てみたら、滑車はなくなっていました。

外壁の外装には、焼成されたカラマツ材が用いられています。これは日本建築の木材使用の伝統的技法にならったものだそう。これによって外壁に特別な塗装処理をしなくて済むという点で、やはり環境負荷に対する配慮がうかがえます。さらに、家の中には木の丸太が ずどーん と頭上を通っていてロフト部分を支持しているのですが、この大胆な丸太の使用は藤森照信の建築を参考にしたそうです。といった具合でけっこう日本建築が発想の元として用いられている住宅なようです。

Références

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Photos prises en août 2018.
2018年8月撮影