Zaanstraat, Oostzaanstraat et Hembrugstraat, Amsterdam.
1917-1921 : Michel de Klerk : École d’Amsterdam.
1999-2001 : restauration et conversion partielle en Musée consacré à l’École d’Amsterdam.
Actuel Musée Het Schip.
ザーン通り、オーストザーン通り、ヘンブルフ通り、アムステルダム
1917-1921年:ミケル・デ・クレルク:アムステルダム派
1999-2001:修復、アムステルダム派博物館へ建物一部を用途変更
現ヘット・シップ博物館
ミケル・デ・クレルクによる、アムステルダム派の記念碑的建築作品。アムステルダムの住宅ディヴェロッパー、アイゲン・ハードの公営集合住宅プロジェクトとして実現した建物です。独創的な形状と装飾がとても面白く、一種の純粋な造形芸術として愉しめる建築でした。実際、ヘット・シップのシンボルともいえるこのとんがり屋根にも特に機能的な意味はないそうです。そういう突き抜けた感じはとても好き。
この建築の「船」(オランダ語の"Het Schip"は英訳すると”The ship”)という呼称は、鋭角三角形の敷地形状に合わせて造られた建物全体の形状からきているのですが、建物の各部位もなんとなく船を連想させるような形になっている気がします。
オーストザーン通りに面する渋い焦げ茶色の部分はこの敷地にもとからあった学校。明るい色のれんが部分がミケル・デ・クレルクによる建て増し。既存の建物の取り込み方も独創的。なお、ヘット・シップ博物館の入り口はこちら。
博物館の入り口を入ったところ。アムステルダムでは他にもまだ訪れたい建築がたくさんありすぎたため、ヘット・シップ博物館には入りませんでした。かなり心残り。
中庭入口もオーストザーン通りにあります。中庭はここの居住者のプライベートな空間なので立ち入るのは遠慮しました。
オーストザーン通りとヘンブルフ通りの角からの眺め。けっこう大きな集合住宅であることが分かる。19世紀末から20世紀初め、ヨーロッパの多くの大都市は労働者階級の流入の激増という問題をかかえており、アムステルダムもその例外でなかったとのこと。その解決策としてアイゲン・ハードはこの公営集合住宅を企画したのでした。都市に住む労働者たちに少しでも良好な住環境を、ゆたかな建築意匠と共に提供することを目指したという点で、ブリュッセルのエルマン集合住宅地(Cité Hellemans)を想起させます。
労働者たちの生活上の便宜をはかって、同じ敷地内には郵便局も設けられました。この部分が、かつて郵便局として使われておりました(現在は博物館の一部)。あと、写真手前にあるのはヘット・シップの説明板。
ヘンブルフ通りとザーン通りの角。「葉巻」と称されている出窓部分がとてもたのしい。
ザーン通りからの眺め。壁面が所々波打っている。
番地表示から開口部、れんがの積み方まで、あらゆる装飾・細部が凝っています。装飾のよろこびみたいなものが爆発している感じでなんだか感動しました。
建物の色々な箇所で目につく彫刻はヒルド・クロップ(Hildo Krop)による作品。風車があるのは、この建物に移住してきた労働者たちの多くが、風車で有名なザーンスタット地方出身であったから。素敵な発想。
旧郵便局の角にもクロップの彫刻があって、こちらは鳥のモチーフ。すばやい遠隔コミュニケーションの象徴として、鳥が選ばれたのだとか。
出っ張った部分から顔をのぞかせる花。
Références
- Guus Kemme et Gaston Beckers (eds.), Amsterdam Architecture : A Guide, Thoth, 2018 [seventh éd.], p. 137 et 138.
- « Housing Eigen Haard, post office », le site Architectureguide.NL.
- « Het Schip », le site Amsterdamse School Platform Wendingen.
Autre travail de Michel de Klerk : ミケル・デ・クレルクの他の建築
Photos prises en août 2018.
2018年8月撮影