アノンの家 : Maison Hannon

7 avr. 2023

Maison Hannon アノンの家


Avenue de la Jonction 1, Bruxelles (Saint-Gilles).
1902 : Jules Brunfaut : Art nouveau.
1984-1989 : restauration : Louis Hoebeke.
2014- : nouvelle restauration.

ジョンクシオン通り1番地、ブリュッセル(サン=ジル地区)
1902年:ジュール・ブランフォ:アール・ヌーヴォー
1984-1989年:修復:ルイ・フーベケ
2014年-:再修復

Maison Hannon アノンの家

ブリュッセルのジョンクシオン通りとブルクマン通りとが交わる角地に建つ住宅建築。施主はエドゥアール・アノンで1902年(または1904年)に竣工。エドゥアール・アノンは世界的な化学メーカーのソルヴェイ社に勤め、のちに同社の重役になった人物です。ちなみにヴィクトル・オルタの代表作のひとつソルヴェイ邸は、このソルヴェイ社創業者の息子の邸宅です。あと、さらに蛇足なのですがこの家の隣に、フクロウさんの装飾がかわいいフクロウの家があります。

エドゥアール・アノンは写真愛好家としての一面も持ち、ベルギーに写真芸術を広めた先駆者のひとりでした。そのように審美眼にも優れていたので、1900年にパリ万博を訪れた際、当時の先端芸術であったエミール・ガレのアール・ヌーヴォー作品に非常に感銘を受けたようで、それをきっかけに自邸もアール・ヌーヴォー様式に造らせるに至ったのだとか。

アノンの家の設計者、ジュール・ブランフォはアノンの友人で、アール・ヌーヴォー様式の建築はこれしか残さなかったようです。優美な曲線の多様、徹底的な左右非対称、大ガラスや鉄柵細工の使用などから察するにアール・ヌーヴォーの表現を極めた熟練者だと思っていたので、びっくり。こんな風な住宅をもっとたくさん造ってくれればよかったのに、などと思ってしまいます。

角地という立地を生かして、角に向いた面に凝った鉄柵や浅浮彫の装飾が施されています。浅浮彫はヴィクトル・ルソーの作で、時間の寓意として糸を紡ぐ女性が表現されています。

出窓が描く曲線がすばらしい。なお、アノンの家の公式サイトでは、この家を「アノン邸(オテル・アノン)」ではなく「アノンの家(メゾン・アノン)」と呼ぶことを提案しています。その理由には、この家には車が通り抜けらるような大玄関がないこと、使用人用の階段が設けられていないこと、厨房が半地下になっていないこと、間口が比較的狭いこと、要するに「邸宅(オテル)」と呼べるほど奢侈ではない、といったことが挙げられています。公式サイトの見解を尊重して、本ブログ記事もこの住宅建築を「アノンの家」と呼ぶようにしました。

Références

  • « Découvrir », le site de la Maison Hannon
  • « Maison Hannon », le site de la Région de Bruxelles-Capitale : Inventaire du patrimoine architectural.
  • « Hôtel Hannon », le site Inside Art Nouveau / Bruxelles.

Photos prises en juillet 2017.
2017年7月撮影