1-1, Toyocho, Takarazuka-shi, Hyōgo-ken, Japon.
1980 : Murano et Mori architectes & Associés (Tōgo Murano).
兵庫県宝塚市東洋町1-1
1980年:村野・森建築事務所(村野藤吾)
武庫川沿いに建つ宝塚市の市役所です。設計は村野藤吾。1940年、村野は49歳のときに宝塚市に移住し、亡くなるまで同市に住んでいました。
建物はL字形の配置になっています。上の写真は南西の方から見た図。撮影時(2022年4月)は敷地南側でちょうど新庁舎の建設工事中だったので、手前が白い柵で囲われています。新庁舎の建設、と聞いて嫌な予感しかしなかったのですがいちおう、今のところ現庁舎も現役で使い続けるようです。
バルコニーと柱が規則正しく並ぶシンプルな立面ながら、どことなくマニエリスティックで気品があって荘厳ささえ漂う、端正なうつくしい外観になっています。村野建築を見ているとつい、形容語句が飽和状態になってしまいます。
回廊へといざなうような階段。
古代風なペリスタイルを想起させる回廊部分。開放的な空間になっていました。この瀟洒なランプに灯がともる夜の風景も見てみたい。
この窓のサッシの複雑な配置などはいかにも村野式だなあと思います。
柱の足元の処理も手が込んでます。
こちらは東側から見た図。武庫川に面した敷地が公園として整備されて、開放的で気持ちの良い空間になっていました。
カラーコーンがものすごく多い・・・。
しいたけ!のような雨避けがかわいい。規則正しく端正な外観のなかに突如、こういう有機物的なかわいい物体を登場させてくるところも村野的だと思います。
山田守のマッシュルームと双璧を成す、きのこ建築であると思います(←なんだそれ)
外観の見どころがありすぎて言及できていませんでしたが、屋上にある円筒形の部分は議事堂になっています。
建物内は、撮影しても差し障りのなさそうな天井部の写真のみ。柱頭や照明の意匠が非常に独特。本当は、市民ホールのところにある円形の螺旋階段を見たかったのですが訪れた日はホール部分に柵が立てられていて入れませんでした。残念。階段は下記レフェランスで挙げた、『森畠吉幸建築研究所-Blog』できれいな写真がご覧いただけます。
建物内から、バルコニーの様子を一枚。割とゆとりをもって造られたバルコニーだと思います。
Références
- 「村野藤吾氏と宝塚」、県政150周年記念事業、調査結果(兵庫県立宝塚西高校1年3組)、2018年
- 「日本建築めぐり/宝塚市庁舎(たからづかしちょうしゃ)」、『建築パース.com』
- 「なめらかな階段 宝塚市庁舎」、『森畠吉幸建築研究所-Blog』
Autres travaux de Tōgo Murano : 村野藤吾の他の建築
- Grand magasin Maruei : 丸栄百貨店本館(1953-1984)
- Ancien siège de Chiyoda Assurances : 旧千代田生命本社ビル(1966)
- Ancien Takahashi Building Est No. 3 : 旧高橋ビル東3号館(1969)
Photos prises en avril 2022.
2022年4月撮影