ラルシペル : L'Archipel

22 janv. 2024

L'Archipel ラルシペル


1973, boulevard de la Défense, 92000, Nanterre, France.
2016-2021 : VIGUIER architecture urbanisme paysage + Marc Mimram Architecture & Associés.

ラ・デファンス大通り1973番地、ナンテール、フランス
2016-2021年:ヴィギエ建築都市設計+マルク・ミムラム建築設計

フランスの建設関連企業の最大手、ヴァンシ・グループの本社屋と、新しくできる郊外高速鉄道(RER)の駅との複合計画。

設計は、エンジニア兼建築家として橋梁設計も建物の設計も手がけるマルク・ミムラム事務所と、高層オフィスビルや大規模商業施設から集合住宅まで設計するベテランのジャン=ポール・ヴィギエ率いるヴィギエ事務所。大御所の協働による大がかりな事業となっております。

建物名の「アルシペル」(定冠詞付きだと「ラルシペル」)は群島や列島といった意味。この計画が5つの建物によって構成されているので、それらの建物を群島に見立てたところからきているのだと思います。

「群島」の間の多くは、緑地や公開空地となっています。

こちらの駐輪場入口も、群島間の緑地のひとつ。

建物同士を結ぶ連絡橋も設けられています。このへんの構造計算等はミムラムのお手のものといったところでしょう。

連絡橋を見上げた光景が猛烈にかっこいい。

延べ床面積75,000平米以上の建築なのですが、ところどころ設けられている緑地や変化のつけられた立面のおかげでそこまで圧迫感はありませんでした。

船や戦艦を思わせるような、細長くもダイナミックな形状。建物敷地は幹線道路と鉄道線路に挟まれて東西に細長い形となっており、いわば残余地のような格好だったのですが、そこを、発注者のヴァンシ社と設計者たちがうまく活用したとのことです。

建物入口のひとつ。このオフィスで、ヴァンシ・グループの従業員およそ4,000人以上が勤務することになります。ここを訪れた2023年9月現在ではまだ入居は完全には完了していないように見えました。

建物を西側から眺めたところ。

北側からの眺めも迫力があります。

こちら側はまだ建設工事真っ最中で、ここに新しい駅ができます。新しい駅は郊外高速鉄道RERのE線の延伸によってできるもので、「ナンテール・ラ・フォリ駅」という名前になります。2024年中の開業を目指しているようなのですが、間に合うのかしら。

基礎部分の駅建設工事と、上部で先に完成するオフィスビルの工事を同時に進行させたため、下部構造から造って徐々に地上の構造体に至る、という通常の施工とは逆の順序で建設が行われたとのこと。さらに建物の一部は足元の駅に覆いかぶさるようにもできているので、構造への配慮がとても大変そう。そのあたりでも、エンジニアのミムラムの援助がぜひとも必要だったのでしょう。

Références

Autres travaux de Marc Mimram Architecture & Associés : マルク・ミムラムの他の建築

Photos prises en septembre 2023.
2023年9月撮影