デ バゼル : De Bazel

20 févr. 2024

De Bazel デ・バゼル


Vijzelstraat 30-34, Herengracht 482 et Keizersgracht 587-589, Amsterdam.
1919-1926 : Karel Petrus Cornelis de Bazel + Adolf Daniël Nicolaas van Gendt.
2007 : conversion en Archives de la ville d'Amsterdam.

ヴァイゼル通り30-34番地、ヘレン運河通り482番地、カイゼルス運河通り587-589番地、アムステルダム
1919-1926年:カレル・ペトルス・コルネリス・デ・バゼル+アドルフ・ダニエル・ニコラース・ヴァン・ヘント
2007年:アムステルダム市立文書館に用途変更

De Bazel デ・バゼル

オランダ商業協会の拠点として1926年にできた建物。ご覧の通り、圧倒的に巨大な建築です。竣工時には「でかすぎる!」と批判されることもあったのだとか。

設計はK・P・C・デ・バゼルで、彼の代表作とも目されることから建物は一般的に「デ・バゼル」と呼ばれています。デ・バゼルは竣工を見ることなく残念ながら1923年に死去してしまったので、遺作ということになります。工事監理はその後、彼の設計事務所の所長となったC・ヴァン・デル・リンデンが引き継ぎました。

建物は幅およそ100m、奥行き30m、高さ35mで、地下2階、地上10階建てになっています。躯体は鉄筋コンクリート造で、その構造設計はA・D・N・ヴァン・ヘントが担当しました。前に本ブログで紹介した旧ブンヘ社屋(1934年)もヴァン・ヘントが設計しているのですが、デ・バゼルに割と似ています。

れんがと花崗岩を交互に配した意匠や、付け柱や刳形などの装飾で非常に凝ったファサードになっています。オランダ建築遺産目録のサイト(下記レフェランスで最初に挙げたサイト)では、フランク・ロイド・ライトやルイス・サリヴァンの建築からの影響も指摘されています。

建物は彫刻作品や浅浮彫などでも装飾されています。この彫像はJ・メンデス・ダ・コスタの作で、アジアとヨーロッパを擬人化したものだそうです。ダ・コスタはデ・ユトレヒト社屋(1906年)の彫刻も手がけています。

カイゼルス運河通りに面する角にある彫像もダ・コスタの作で、こちらは産業と商業を表しているそうです。なんだか、中央のひとが両端のひとからツッコミを受けている図のように見えてならないのですが。

雷紋風の幾何学的な彫り物もすてき。なお、建物は現在アムステルダム市立文書館になっていて内部見学も可能なようです。内部も非常に装飾ゆたかで、柱梁の明瞭な造り、モザイクタイルの貼られた床、大階段などが見所なようです。また各種設備や家具調度のデザインもデ・バゼルが手がけたものになっています。ぜひ入ってみたかったのですが、下調べが足らず、外観だけみて通過してしまいました。くやしい。

Références

Autre travail d'Adolf Daniël Nicolaas van Gendt : A・D・N・ヴァン・ヘントの他の建築

Photos prises en août 2018.
2018年8月撮影