ヴァン エートヴェルド邸 : Hôtel van Eetvelde

17 févr. 2024

Hôtel van Eetvelde ヴァン・エートヴェルド邸


Avenue Palmerston 2 et 4, Bruxelles (Extension Est).
1895 (construction de l’hôtel au no. 4) : Victor Horta : Art nouveau.
1898-1900 (construction de l’annexe ouest et de la maison de rapport) : V. Horta : Art nouveau.
1900-1901 (construction de l’annexe est) : V. Horta : Art nouveau.
1926 : ajout d'un toit mansardé sur l’annexe est.
1988 (rétablissement du puits de lumière de l’hôtel) : Jean Delhaye et Barbara Van der Wee.

パルメルストン通り2番地、4番地、ブリュッセル(東部拡張圏)
1895年(4番地の邸宅の建設):ヴィクトル・オルタ:アール・ヌーヴォー
1898-1900年(邸宅西側の建物と賃貸用住宅の増築):V・オルタ:アール・ヌーヴォー
1900-1901年(邸宅東側の建物増築):V・オルタ:アール・ヌーヴォー
1926年:邸宅東側の建物の屋根裏増築
1988年(邸宅の光井戸の復元):ジャン・ドラエー、バルバラ・ヴァン・デル・ウェー

ヴィクトル・オルタが、外交官にしてコンゴ自由国の政務局長であったエドモン・ヴァン・エートヴェルドのために設計した邸宅。ヴァン・エートヴェルドはベルギー国王レオポルド2世の側近のひとりでもあったそうです。したがってヴァン・エートヴェルドは、当時のベルギー王国によるコンゴへの残虐な搾取政策のであった主要な関与者ということになるのですが、そう考えると、このうつくしい住宅作品を前に複雑な気分になります。もちろんオルタは、政府要人からの設計の注文を拒否することなど不可能であったでしょうし、そもそもこの建築作品自体に罪はないのですけれど。

パルメルストン通り4番地のこの鉄骨造の建物が、1895年に最初に造られた邸宅。9mの間口全体に渡って鋼鉄の骨組みを前面に見せている、その大胆な意匠が目を引きます。この邸宅内部にはすばらしい光井戸(天窓から建物低層部まで、光を垂直に差し込ませる建築配置)があって、1988年にそれが復元されています。

1階部分には石材や木が取り入れられています。なお、邸宅は1950年にガス産業連盟の所有物となり現在も、同連盟の後継組織が保有する施設になっています。

一連の建築中2番目に建てられたのが邸宅西側に位置する、パルメルストン通り2番地のこの増築棟。

玄関周りの、有機的な形状の2本の塔のような装飾が独特。

2番地の増築棟のさらに隣、マリ=ルイーズ小広場に面して建つのが賃貸住宅用の増築棟。張り出し部分の形状が三角であったり台形であったり変化が付けられていますが、いずれもオルタらしい流れるような優雅な立面になっています。この惚れ惚れするような佇まいを実現するオルタの才は、本当に天賦のものだと思います。1930年代にはこの増築棟を解体して別の建物を造る計画が持ち上がったそうなのですが、建設当局の介入により幸いにも中止となりました。曲折を経て、現在この建物はなぜかクロアチア経済会議所の所有となっております。そのため、よく見るとクロアチア国旗が建物前ではためいています。

上の写真の一番手前にあるのが、1901年に造られた東側の増築棟。大きな張り出し窓が特徴的です。最上階の窓付き屋根裏部屋は後からの増築。なお、エートヴェルド邸からパルメルストン通りを挟んだ向かいには同じくオルタ設計によるドゥプレ=ヴァン・デ・ヴェルデ邸もあるので、ファンの方ならぜひとも訪れたい界隈です。

Références

Autres travaux de Victor Horta : ヴィクトル・オルタの他の建築

Photos prises en juillet 2017.
2017年7月撮影