Keizersgracht 174 et 176, 1016 DW, Amsterdam.
1904-1906 : Gerrit van Arkel et Herman Hendrik Baanders : Jugendstil (Art nouveau).
1957 (Construction d’une extension) : Christiaan Bernard Posthumus Meyjes jr.
1968-1969 (Construction d’une extension) : Cornelis Wegener Sleeswijk et Sytze Johannes Sophius Wichers.
カイゼルス運河通り174、176番地、アムステルダム
1904-1906年:ヘリット・ヴァン・アルケル、ヘルマン・ヘンドリク・バーンデルス:ユーゲントシュティル(アール・ヌーヴォー)
1957年(増築):クリスティアーン・ベルナルド・ポステュムス・メイェス・ジュニア
1968-1969年(増築):コルネリス・ウェヘネル・スレースワイク、シツェ・ヨハンネス・ソフィウス・ウィヒェルス
オランダ第一生命保険銀行の本社屋として、1906年に造られた建物。2度にわたり増築されていますが、元の建物の様式と調和するかたちで実施されたようです。そのため全体として違和感のない、すっきりとしたアール・ヌーヴォーの様式が保たれています。屋根の鉄細工をよく見ると、「EHLB」というアルファベットがかたどられています。これはオランダ第一生命保険銀行(Eerste Hollandsche Levensverzekerings Bank)の頭文字をとったもの。芸が細かい!
レリー運河通り側には彩色壁画があります。壁画上部には、オランダ第一生命保険銀行の文字。「娘さんもいることですし、何かあったときの備えをしておいた方がいいのでは・・・?」と、天使が母親に諭している様子だろうか。それとも娘さんと結託した天使が、母親に保険の勧誘をしている図だろうか。メルヘンチックな絵柄の割に、すごく現実的な内容が描かれていると思われるそのギャップがおもしろい。
建物上部の壁画も、下部のものとほぼ同じ図案。こちらは背景が緑野になっていてより一層メルヘン。
このあたりの直線で構成された意匠はマッキントッシュを彷彿とさせるように思えました。
色つき石材の使い分けや出窓の設置、壁面の凹凸など変化にとんだ立面になっています。建物は鉄筋コンクリート造で、建築における鉄筋コンクリート導入推進者のひとり、フランソワ・エヌビックの工法が用いられたそうです。
住所番号表記や、アストリアというロゴ周りの浅彫りの装飾的線なども凝っています。なお、この建物がなぜアストリアと呼ばれているのかは、ざっと調べた感じでは分かりませんでした。
Références
- « Gebouw Astoria in Amsterdam », le site Rijksmonumenten.nl.
- « Astoria building », le site The Art Nouveau World.
- « Astoria (Amsterdam) », le site Wikipedia.
Autres travaux de Gerrit van Arkel : ヘリット・ヴァン・アルケルの他の建築
- Maison de Keizersgracht : カイゼルス運河通りの家(1894)
- Helios : ヘリオス(1897)
- Immeuble de Damrak : ダムラクの建物(1904)
Photos prises en août 2018.
2018年8月撮影