ル モノリット : Le Monolithe

7 déc. 2024

Le Monolithe ル・モノリット


Quai Antoine Riboud, rue Denuzière et rue Casimir Périer, 69002 Lyon.
2005-2010 : MVRDV (plan directeur) + Pierre Gautier + Manuelle Gautrand + ECDM + Erik van Egeraat.
  *Architecte paysagiste : West 8

アントワーヌ・リブー河岸、ドゥニュジエール街、カジミール・ペリエ街、リヨン2区、フランス
2005-2010年:MVRDV(マスタープラン)+ピエール・ゴティエ+マニュエル・ゴートラン+ECDM+エリック・ヴァン・エゲラート
  *ランドスケープ・アーキテクト:ウエスト8

リヨンの大規模再開発地、コンフリュアンス地区に立つ複合建築。敷地面積およそ15,000平米に住宅やオフィスや地下駐車場などを含む建物を造る、というプロジェクトで2004年に設計競技が行われ、MVRDVがこれを勝ち取りました。

側面の外観が大きく異なっているのは、この計画がMVRDVのマスター・プランのもと、複数の建築家が各部分を設計しているため。建物名は「モノリット(英語だとモノリス)」となっていて一枚岩というイメージを抱かせるのですが、このモノリスは複数の異なる要素が集まることによって一枚岩となっています。多様性を包摂するひとつのまとまり、という理念を表しているように思われます。

運河に面した一番南側の部分の担当は、MVRDV。住居やオフィスビル、商業施設で構成されています。

外装はアルミパネル。よく見ると表面には文字が記されていて、窓枠を全部閉めると欧州連合基本条約改革条約(リスボン条約、2007年締結)の第1章第2条の文章が現れるようになっています。リスボン条約が「改革」条約と称されることから分かるように、じつはこの取り決めは2005年に一度頓挫しています。その理由は、大元の条約の批准をフランスとオランダが拒否したため。条約締結を阻んだ当事者国であるオランダの建築家(MVRDV)が、もうひとつの当事者国であるフランスのプロジェクトにおいてこの条文をファサードに掲げるという行為や、「モノリット」という建物名に、設計者MVRDVの欧州の団結を願う意志が表れているように思われます。

建物を訪れたとき(2018年)は、ちょうど天井の改修工事が行われていました。

門型の建物の内部は大きな中庭になっていてとても気持ちの良い空間が広がっていました。この中庭のおかげで通風や採光がよくなって、建物のエネルギー消費効率や循環効率が劇的に上昇しているのだとか。

MVRDV担当箇所の隣の部分を設計したのは、パリに拠点を構える建築事務所、ピエール・ゴティエ。

28戸の住居とオフィス、商業施設で構成されています。マットでシックな外装。

さらにそのお隣、一転してメタリックな外装の部分を手掛けたのはマニュエル・ゴートラン建築事務所。この箇所はオフィスのみで構成されています。

西側から眺めると、マニュエル・ゴートラン担当部分はダイナミックなカンチレバー状になっているのが分かります。ちょうどここの西側に小さな公園があるので、そこに視界を開くためにこのように大きな空隙が設けられています。

見上げると大迫力。ぐりんぐりんしている小さな円形の意匠は、花をイメージしたものだそうです。

その隣の住居、オフィス部分の設計は、エマニュエル・コンバレルとドミニク・マレクが主宰する建築事務所、ECDMの担当。

鮮やかな色合い、少しでこぼこした表層、ランダムな開口などがたのしい。

住居は主に、体の不自由な人や若年労働者向けのものとなっているそうです。

一番北端、建物のもうひとつの顔となる部分を設計したのは、オランダのロッテルダムに拠点を構える建築事務所、エリック・ヴァン・エゲラート建築設計。

「凹」の字をひっくり返したような明快な形をしたMVRDVによる南端のファサードとは異なり、こちらはやや複雑な立体形状の門型になっています。

縦に走る木材の外装が印象的。この部分も住居とオフィスによって構成されています。

階段だけではなく傾斜通路によっても、中庭に上がっていけるようになっています。でもここをくねくね上ってゆくのはけっこう大変そう。

Références

Autres travaux de MVRDV : MVRDVの他の建築

Autre travail d'ECDM architectes : ECDM建築設計の他の建築

Photos prises en octobre 2018.
2018年10月撮影