Ookmeerweg et Reimerwaalstraat, 1067 MP, Amsterdam.
1994-1997 : MVRDV.
オークメール道路、ライメルワール通り、アムステルダム
1994-1997年:MVRDV.
オランダを代表する設計事務所、MVRDVの出世作。アムステルダムの西郊に建つ高齢者向けの集合住宅で、1997年造。ご覧の通り、とんでもなく突出した片持ち梁の部分がくっ付いています。
もちろん綿密な構造計算のうえで成り立っている造りなのでしょうが、やはり見ていて不安になるほどの大胆な形状です。わたくしの2018年夏のアムステルダム旅行の主目的はこれを見ること、と言っても過言ではないくらい実物を見たい建物だったのですが、ほんとうにすごいインパクトだったので訪れてよかったと思いました。
この建物の名前は「オクラホマ」なのですがMVRDVのサイトでは « WoZoCo » と呼ばれていて、これはどういう意味なのだろうと思ったら、« WoonZorgComplex » 「複合養護居住施設」の略だったようです。なお、この建物はMVRDV最初の集合住宅プロジェクトでした。
設計要件としては高齢者向けの住まいを100戸設けるというものだったのですが、敷地や日照条件等を考慮すると87戸が限界で、残りの13戸をどう工面するかが問題となっていました。そこで、これら13戸は壁面に対して、ぺたっと垂直にくっ付けてしまおう!という大胆な解法が提案されてそれがそのまま実現に至ったのだそう。MVRDVのサイトでは「半分冗談のような」策と表現されていましたがほんとうにその通りで、建物実物を見た瞬間、思わず笑ってしまいました。
片持ち梁の付け根部分。突出部分の骨組みはトラス構造になっています。室内の様子がとても気になりますが、間取りは全部で21種類にものぼるそうです。
敷地西側より建物を見る。建物は東西に長い形状になっていて、片持ち梁は北側面に設けられています。
玄関部分は開放的なピロティ空間になっています。
衝撃的な外観の北側にばかり目がいってしまいますが、南側もとてつもない様相を呈しています。
こちら側の片持ち梁もなかなか壮観。
ランダムな開口、色彩、バルコニーの形状。ここまで自由に設計させてくれる施主の度量や、そうしたことが許されるオランダの建築行政の寛容さに感服いたしました。
Références
- « WoZoCo », le site de MVRDV.
- « Sheltered housing complex Oklahoma », le site architectureguide.nl.
- Guus Kemme et Gaston Beckers (eds.), Amsterdam Architecture : A Guide, Thoth, 2018 [seventh éd.], p. 195.
Autres travaux de MVRDV : MVRDVの他の建築
- Borneo 18 : ボルネオ18(1999)
- Silodam : シロダム(2003)
- GYRE : ジャイル(2007)
- Le Monolithe : ル・モノリット(2010)
- The Couch : ザ・カウチ(2013)
- Pushed Slab building : 押し出しスラブ・ビルディング(2014)
- Salt : しお(2018)
Photos prises en août 2018.
2018年8月撮影