14, rue Jean de la Fontaine, 75016, Paris.
1895-1898 : Hector Guimard : Art nouveau.
ジャン・ド・ラ・フォンテーヌ街14番地、パリ16区
1895‐1898年:エクトル・ギマール:アール・ヌーヴォー
Peu avant de dessiner ce castel, Guimard a voyagé en Écosse et en Belgique, et il a subi une grande influence des architectures de ces pays-là, surtout celle de Victor Horta. Il me semble que cet édifice insolite traduit son grand enthousiasme pour une nouvelle architecture, inspiré par le voyage.
この「お城」を設計する少し前にギマールはスコットランドとベルギーを旅行し、現地の建築、特にヴィクトル・オルタの建築から大きな影響を受けました。この大胆な建築を見ていると、旅行によって触発された、新しい建築へのギマールの情熱が伝わってくるように思われます。カステル・ベランジェ設計前後のギマールの様子は、下記レフェランスに挙げたヴィクトル・シャンピエの記事に詳しいのでご興味のある方はご覧ください。
De toute façon ce bâtiment attire nos regards.
とにかく人目を惹く建物です。
鉄、れんが、石材といった様々な素材を組み合わせてファサードを彩るという、アール・ヌーヴォー建築の特徴のひとつがこのカステル・ベランジェにも見られます。色彩も素材も相当ヴァリエーションに富んでいるのですがそれらを非常にうまくまとめあげているのが、ギマールの才。
Les objets et les animaux curieux et étranges, ils sont aussi les habitants de cet immeuble.
奇妙で謎めいたオブジェや動物たち。彼らもこの建物の住民です。
La belle entrée. Notamment la porte asymétrique est charmante.
見事な玄関。とくに、左右非対称の門がすばらしい。
扉の上には、パリのファサードコンクール最優秀賞に輝いたことを示すテキストが彫られています。
門の柵越しに玄関内部をうかがう。とてもうつくしい。
2019年にヴェリブのデザインが刷新されましたが、新しいヴェリブはカステル・ベランジェとそれなりに調和している気がします。
Références
- « Castel Béranger », le site de Structurae.
- Francesca Prina, Elena Demartini, Petite Encyclopédie de l’architecture, traduit par Annie Guillemin, Éditions Solar, 2006, p. 284-285.
- Michel Poisson, Façades parisiennes, Parigramme, 2006, p. 178.
- ヴィクトル・シャンピエ、「カステル・ベランジェ」、拙訳、『装飾芸術評論』、1899年。〔リンクをクリックするとアマゾンのサイトに飛びます。〕
Autres travaux d'Hector Guimard : エクトル・ギマールの他の建築
- Villa Jassedé : ジャスデ荘(1893)
- Atelier Carpeaux (surélévation) : カルポーのアトリエ(増築)(1895)
- Immeuble Trémois : トレモワ集合住宅(1910)
- Hôtel Mezzara : メザラ邸(1911)
- Ensemble immobilier Guimard : ギマールの集合住宅(1912)
- Maison du square Jasmin : ジャスマン小広場の家(1922)
Photos prises en février 2019.
2019年2月撮影