14, Rue de Fleurus, 59000 Lille, France.
1898-1900 : Hector Guimard : Art nouveau.
フルリュ街14番地、リール、フランス
1898-1900年:エクトル・ギマール:アール・ヌーヴォー
リール中心部の住宅街に建つ、店舗兼住宅建築。1階部分が店舗で、その上の2〜4階(屋根裏)部分が住居になっています。
周囲の家々に対して明らかに異彩を放ちまくっているこの建物を設計したのは、フランスのアール・ヌーヴォー建築を代表する建築家のひとり、エクトル・ギマール。ギマールの建築作品はおおむねイル=ド=フランス地域圏に集中しているので、オ=ド=フランス地域圏のリール市にあるこの物件はまあまあめずらしいです。この家の名のもととなった施主のルイ・コワイヨはリール出身の陶製品製造業者で、溶岩にエナメル処理を施してできる素材の販売に奔走していました。
この彩色されたごつごつした質感の外装が、エナメル溶岩。この建物はコワイヨ製作所の拠点であると同時に自社製品をアピールする絶好の展示場でもあったのでしょう。ギマールとコワイヨは、この建物の設計が開始される前年、1897年の『陶磁・焼き物業博覧会』で出会ったそうです。
ファサードは石材や木、ガラス、彩色壁画など多種多様な要素で装われています。木材の破風屋根も見事。撮影時の2019年時点では1階には眼鏡屋さんが入っていました。そのため1階上部に眼鏡のオブジェが掲げられています。
玄関扉の枠組みや、窓下まわりの流れるような曲線の装飾はまさにアール・ヌーヴォー的。
Références
- « Maison Coilliot et son décor intérieur », le site de la Ministère de la Culture, plateforme ouverte du patrimoine.
- « Une étonnante maison au cœur de Lille-Centre », le site de la ville de Lille.
Autres travaux d'Hector Guimard : エクトル・ギマールの他の建築
- Villa Jassedé : ジャスデ荘(1893)
- Atelier Carpeaux (surélévation) : カルポーのアトリエ(増築)(1895)
- Castel Béranger : カステル・ベランジェ(1898)
- Immeuble Trémois : トレモワ集合住宅(1910)
- Hôtel Mezzara : メザラ邸(1911)
- Ensemble immobilier Guimard : ギマールの集合住宅(1912)
- Maison du square Jasmin : ジャスマン小広場の家(1922)
Photos prises en janvier 2019.
2019年1月撮影