9-33, Yumoto-chō, Takarazuka-shi, Hyōgo-ken, Japon.
2001 : Tadao Ando Architect & Associates.
Actuel « Nature Spa Takarazuka ».
兵庫県宝塚市湯本町9-33
2001年:安藤忠雄建築研究所
現、ナチュールスパ宝塚
兵庫県宝塚市、武庫川の南岸にある温泉施設。設計は安藤忠雄で、2001年11月に竣工し2002年に開業しました。阪急電車の宝塚駅南口を出て、武庫川を渡ったところにあります。
安藤忠雄一流の、シャープでエッジの効いたコンクリートの造形と透明感あるガラスとで構成された建築です。
南東方面から眺めた図。こちらから見ると、単純な形の閉じた建築に見えます。
地上5階、地下2階の建物は見上げるとなかなかの迫力。敷地面積はおおよそ1,200平米、延べ床面積はおおよそ3,100平米となっています。
こちらは北西方面から眺めた図。大きなフレームに、それよりもひと回り小さなヴォリュームが斜めに貫入するという構成方法も安藤忠雄様式。わたくしは安藤建築ファンなので、もうたまらないです。
建物側面の屋外階段や、突出したガラス部分など各要素の組み合わあさり方がとてもかっこいい。
高低差があってカーブしたコンクリートの隘路などもいかにも安藤的で、こういう細道があるから、氏の建築があるとつい執拗に探検してしまいます。
入口は建物西側に1箇所のみ。
頂部のコンクリートの一部がはげかかっているのが気になりました。維持管理に苦労しているのだろうか。
入口には薄いシャープな庇が設けられています。
武庫川の対岸からの遠景。宝塚温泉は公設の温浴施設で、2002年の開業後は第三セクターにより運営されていたのですが2003年には早くも経営破綻。その後2004年からは公設民営施設「ナチュールスパ宝塚」として営業再開し2010年代を通じて利用者数も増加していたのですが、今度はコロナ禍のあおりを受け一時休館に追い込まれそれ以降赤字経営が続く、といったなかなか苦しい運営状況であるようです。わたくしは当該施設を一度も利用したことがないのでこんなこと無責任に言えた義理ではないのですが、かっこいい安藤建築なので何とか存続維持してほしいものです。
宝塚市では完全民営化も視野に入れつつ、今後の運営方針策定のための調査や意見収集を2024年に行ったようです。それによると、建物のレイアウトが複雑で融通が効きづらかったり、複数階の間の移動が不便であったり、色々なところが手狭であったりといった問題点が挙げられているようです。たしかに地上5階にわたる温泉施設って他ではあまりなさそうであるし、温泉施設なのに、上の写真のようにガラス張りで外から見えやすい造りであったり、運営改善にむけて課題は多そうです。
Références
- 「宝塚市立温泉利施設 サウンディング型市場調査結果」、宝塚市のサイト
- 「市立温泉利用施設の今後の方向性について」、宝塚市のサイト
Autres travaux de Tadao Andō : 安藤忠雄の他の建築
- Ancien Hôpital Fukuhara : 旧福原病院(1986)
- TS Building : TSビルディング(1986)
- Ancien M3 BLD. : 旧M3ビルディング(1987)
- B-Lock Kaguraoka : B-Lock神楽岡(1988)
- La Collezione : ラ・コレッツィオーネ(1989)
- Wall avenue : ウォール・アベニュー(1989)
- Omotesando Hills : 表参道ヒルズ(2006)
- Université de Tokyo, Salle Fukutake : 東京大学大学院情報学環福武ホール(2008)
Photos prises en avril 2022.
2022年4月撮影













